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みなさんは、ステッカーを手軽に作りたいと思ったことがないだろうか?私も自社サービスや会社のロゴステッカーを作りたいと思ったことがある。しかし、ラクスル社等で調査しても最低印刷枚数やIllustrator形式で納品する等ハードルが高かった。今回は、その問題をインターネットの最新技術を用いて解決したのが、パエリア社の山口隆広代表である。
■Hexiを始めたきっかけ

「基本(売上は)海外ですねぇ」

パエリア社の山口代表の開口一番のセリフだった。Hexi(へクシー)と呼ばれる本サービスの売上は海外が6割という特殊な売上状況に、海外物流に詳しくなったと淡々と語っていた山口氏。独特の雰囲気を持つ彼は元DeNA社の社員であり、ひとつの時代を築いた人物でもある。創業者でもある南場氏にエンジニア力=女子力と吹聴したことを咎められた事もあるそうだ。

早速、何故作ったかを伺うと「nodeJSを覚えたかったから」と山口氏らしい答えが返ってきた。つまり、このHexiは勉強のために作ったサイトだということだ。その割にはSSL証明書や決済周りもしっかり作りこまれていて、安心・安全なのはMobageでソーシャルゲームを運営してきた自負からだろう。最近のカジュアルスタートアップとの違いは、裏付けされた技術力ではないだろうか。

nodeJSを覚える際に、ただの掲示板システムを作るのもあれだと思っていたところ、山口氏のnodeJSの”先生”からnodeJSの象徴であるHexagon=六角形ステッカーを手軽に作れるサイトが欲しかったらしい。”先生”は数ヶ月毎に東京node学園というエンジニア向け勉強会を開催しており、毎回ステッカーのオーダー最低枚数や入校時にIllustratorを上手く使えないため、Webサービスで解決しようとした。

■元々は海外サイトに元ネタが
Hexiには元ネタがある。海外のhexb.inというサイトだ。これは世界的に有名なnodeJSに強いエンジニアが作ったサイトである。機能も似ているがエンジニアに特化しているため使いづらかった。具体的にはGithubにアップロードすることで利用可能となる。これでは非エンジニアが利用できなく、購入出来るステッカーのデザインも限られており使い勝手がいまいちである。

Hexiはその機能不全部分を解消すべく、インターネット上で好きな画像をアップロードし、非常に簡単な操作をするだけでステッカーを作ることが出来る。六角形に限定されるものの、制限を設けたほうがクリエイティブなものが生まれるのは事実。多数のクリエイターが画像をアップロードするサイトになっている。また、作成したステッカーは第三者に販売することもでき、販売価格を調整することで個人が利益を出すことも可能だ。

hexb.inを作製したmaxobden氏からも好評で、実際にmaxobdenも利用しており国際的なサービスになっている。これにより急激な海外からのトラフィックによってi18n(国際化)対応を一日〜二日程度でせざるを得ない状況になるという、嬉しい悲鳴が起こった。

■技術的苦労と最新技術の実装
サービスを作り運営するには苦労がつきものだ。この点を山口氏はこの様に振り返る。一つ目はnodeJSを知らなかった事により、コードを書くよりも調査と理解に時間がかかったという。私もSwiftやangularJSを使うので、理解するまでの時間が非常に掛かるという点に同意する。理解してしまえば早いのだが、そこまでの道のりが大変である。

次にフロントエンドの処理で、六角形はブラウザ上では認識されない形のためそれを認識させるための処理がまず難しかった。更にIEも含めたマルチブラウザで認識させるためのトライ・アンド・エラーがかなり大変だったと邂逅していた。これについては近年、ネイティブアプリからWebアプリへの回帰が騒がれているため非常に重要なポイントになると思われる。先駆者の苦労は後発者として勉強になるだろう。

またバックエンドの実装として、HTTP2/Spdyの実装とngenx small lightを使った事で、超高速化を実現している。実際に利用してみてわかるが、とにかく速い。意識しない速さを体感できるだろう。すべてにおいてHexiはユーザドリブンな実装になっている理想的なサービスだ。速さを重視しているのも決済を重視しているのもすべてはユーザーのためだ。

■今後の展望について
今後の展望について確認してみると2つの新機能を実装する予定だとのことだ。ひとつは複数の画像をジグソーパズルのように組み合わせて一枚のシールに出来る機能。もう一つはギャザリング(共同購入)機能である。これもユーザからの要望によって実装することになった。

次に仕掛けているサービスもあるとのことで、パエリア社の次の展開が楽しみである。

■会社概要
会社名株式会社パエリア
本社所在地〒150-0043 東京都渋谷区道玄坂1-19-9 第一暁ビル6F ピースオブケイク内
設立2014/11/13
従業員数3名
ビジョンものづくりをはじめる人が生まれやすい世界をつくる
来社特典パエリア特製ステッカーを差し上げます


■山口隆広
新卒で制作会社に入社し、中国向け・日本向けのクーポン冊子についてプロダクトディレクションを担当した後、ソーシャルゲーム黎明期のモバイルプラットフォーム運営会社へ転職。
 女性向けモバイルゲームのプロデュース、UGCクイズアプリのプロデュース、Webサービスの横断的UI改善プロジェクトのディレクション、アクセス解析サイクルの導入などを経て独立。
 案件に応じてディレクターやプロデューサーを担当。
 現在はディレクターとしてもうひとりのメンバーと自社サービスを粛々と開発中。
 Google Analytics個人認定資格(GAIQ)取得済
yamaguchi


Written by Masahiro Kawai Xrosriver inc. President
"The best way to predict the future is to create it."
http://www.xrosriver.com/