-中・日関係は少し進んでいるが、中国が韓日対立を悪用するのではないか。
「過去史問題があると言いつつも、習近平国家主席と安倍晋三首相は写真を撮り、握手をして、関係の進展を示した。一時、中国が過去史をめぐって日本と鋭く対立していたことを思うと、面食らってしまう。韓国だけが中間でおかしくなっており、中国が『自分たちは関係を良くしておいて、韓日対立をけしかけよう』と考えることもあり得た。過去史と地域安全保障は別の視点で見るべきだ」
-朴大統領はどうすべきか。
「長期的に見れば、日本との緊張関係を緩和するのが、韓国の利益にとっては良い。両国の指導者は定期的に会うべきだ。最初は難しいかもしれないが、両国の国民がそういう姿に慣れるべき」
-日本が先進国なら、ドイツのように正直に何度も謝罪すればいいのではないか、という意見も多い。
「ドイツはホロコースト(ユダヤ人の集団虐殺)のせいで一層謝罪して、そうなのかもしれないが、奥深いプロセスを経た。非常に建設的なリーダーになっており、さらにはイスラエルとの関係も良い。米国の占領政策が日本に免罪符を与えた一面もある。天皇には戦争責任がないと言った。日本の人々は『天皇に責任がないなら、自分たちはなぜ』という思いを抱いただろう。ドイツ国民が『誰であろうと戦争責任はある』と考えたのとは差がある」
-ならば、日本の責任が消えたわけではないのか。
「もちろんだ。だから村山、河野談話を通して謝罪もした。韓国人は、それで十分ではないだろうが、今は少しずつ心を開くべき時期にもなった。もっと謝罪すべきだと思う韓国人がいるなら、それはきちんと認めるべき部分だ」
-韓日両国の未来について、どう見るか。
「私は前向きだ。20年前よりはるかに良くなっており、この先20年はさらに良くなるだろう。両国には共通する部分が多い。継続して前向きな関係を維持すべき。公的・私的分野双方で必要だ。それでこそ先に進める。とにかく、会うべきだ。結果がなくても、何も話さないよりはずっといい」