MERS:以前から問題視されていた「お見舞い感染」

【特集】韓国の病室文化を変えよう
父親が赤痢で入院、息子や娘婿、妹らが同じ日に見舞い→数日後に集団感染
学校の友人の見舞いに訪れ、A型肝炎やおたふくかぜに集団感染

 入院患者の見舞いによって感染症にかかるケースは、今回の中東呼吸器症候群(MERS=マーズ)問題以前にも散見された。

 今年1月、慶尚北道浦項市にある高齢者専門の療養型病院に入院していた男性(66)は、疥癬(かいせん)=ダニによる感染症=に伴う皮膚病の治療を受けていた。入院中にこの男性の見舞いに訪れた息子(34)など家族2人と、介護者、病院の職員など4人が、後に男性と同じ症状を訴え治療を受けた。2008年11月、全羅南道木浦市に住む男性(82)は、ユッケがあたって細菌性赤痢に感染し、病院に入院した。父親が入院したという知らせを受け、翌日には息子と娘の家族、さらに妹まで見舞いに訪れた。それから数日後、家族らにも高熱や腹痛など赤痢の症状が表れた。男性に付き添っていた妻も赤痢を発症し入院した。

 同じクラスの友人が入院したと聞いて、一斉に病院に駆けつけた生徒たちが集団感染したケースもある。09年5月、ソウル市道峰区の高校では、生徒11人がA型肝炎と診断された。疾病管理本部は「学校でA型肝炎の集団感染が発生したのは初めてだ」と戸惑いを見せた。疫学調査の結果、最初にA型肝炎にかかった友人の見舞いに行った生徒たちが、一度に感染していたことが判明した。

 08年4月には、京畿道安城市の高校で、流行船耳下腺炎(おたふくかぜ)にかかった生徒の見舞いに行き、同様の症状を訴えた生徒が11人に達し、一週間以上にわたって休校する事態も発生した。

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