韓国の伝統建築を中国・日本と比較

韓国の伝統建築を中国・日本と比較

【新刊】キム・ドンウク著『韓国建築 中国建築 日本建築』(キムヨン社)

 東アジアの建築において「屋根」は特別な存在だ。欧州の建物がファサード(正面の外観)を強調しているのとは対照的だ。中でも軒の曲線は、東アジア共通の特徴。はるか古代に中国で始まり、近隣に波及。風土や事情に応じて形態は少しずつ変わっていった。雨が多く温暖な中国南部では、空に向かって反り上がっていくかのようなシャープな曲線。一方、15世紀以降の日本の屋根はほとんど直線で、端だけが反っている。

 韓国は、独特の軒の曲線に強い自負がある。宮殿だけでなく、一般の住宅でも軒の曲線を生かそうとした。その極端な形態が、ソウル市鍾路区嘉会洞の北村韓屋村にある家々だ。著者は「1930年代、狭い敷地に小さな家を何軒も建てながら、それでも軒は強く反らせた」と指摘する。韓国の建築は、軒の曲線を維持するために変化の速度についていけなかったという。文化財委員を務めた老学者が、韓国の伝統建築を中国・日本と比較して「客観的に」観察した一冊。360ページ、1万7000ウォン(約1900円)。

許允僖(ホ・ユンヒ)記者
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