講習会のおしらせ&内容解説 

7月20日月曜(祝・海の日) 16時から戸山公園(新宿スポーツセンターの向かって左側あたり)にて、歩法・走法の講習会をします。
雨天は四階第二武道場(剣道場・板の間の方)で開催します。
八卦掌、酔拳などの動き、剣術、能の動き、忍者走りなどを解説し、その効果を実際に体験していきます。
参加費用は2000円です。

武術だけでなく、バレーボール、テニスなど、飛んで来るものに走って追いつく競技をやっている人や、歩行に支障のある方などにも参考になる部分があるかもしれません。どなたでもお気軽に参加ください。

内容のイントロダクションを少しだけ。

最近、私の教える白桃会では、指先の向く方向や手の重さを使って動く、技を掛けるということが研究されてきました。今回はその発展系で、手や手に持っているものの重さなどを使って進む、曲がる、止まる、といったことを稽古してみたいと思います。

足を動かそうと思って足を動かす、というのは自分の意思によるもので、極論すればそれは理から外れた自分の「癖」による動作です。道理とは、物が高いところから下に落ちていくように、必然的に発生する理(ことわり)の道筋です。なので、できるだけ自分の意思に関わらず体がシステマティックに動く仕組みを作っていきます。

これによって歩くという動作に意識を使わなくなるので以下のようなメリットが考えられます。

・予備動作がなくなる
・急にバックしたり方向転換したりしゃがんだりが容易になる(脳の空きメモリの活用)
・恐怖心があっても体が勝手に前進してくれる
・体当たりの威力の向上
・疲労の軽減
・歩いているだけでもなにか乗り物を操縦してるみたいで楽しい

などです。

道理の一例を挙げます。
人間は急にひょいっと10kgくらいの米袋を渡されて、それを片方の手で受け取っても倒れません。また、電車などで寝ている人はうとうとして倒れるかな? と思ってもある程度傾くと無意識に持ち直します。これは人間が異常に立っていたがる、倒れるのを怖がるせいです。
もちろん、すぐにホイホイ転んでいては大変なので、これは必要な進化の結果ですが、かかしや二足歩行ロボットの片手に10kgの米袋をもたせれば転びます。つまり転ぶ方が道理で、そうならないのは筋力やバランスを使って無意識に調整をしているということです。

しかし、この調整機能は普段、オートマですが手動に切り替えてオフにすることも出来ます。そのオフになった状態が、酔拳のような酩酊に似た状態や、能の幽玄の境地、自分であって自分でない状態です。図をごらんください。

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よっぱらいです。素面であれば、10kgの米袋をもっても直立していられますが、酔うことでオートバランサーがオフになったことで、ぶらさげているお土産の重さによって前にふらつき出します。しかし、そのおかげで家に帰れるともいえます。よっぱらい特有の紐の長い折詰は、正体を失っても家に帰れるようにという古人の知恵なのかもしれません。

この折詰の重さで歩く、に近いことは、能楽師の扇子や剣術家の剣によっても行われていたのではないか、と推察されます。
たとえば扇子を前に横一文字に突き出します。力を入れていれば何もおきませんが、少し腕をゆるめると、扇子と腕の重さを感じ、やや前にのめっていきます。
このとき、体が倒れないように爪先がブックスタンドのような役割を果たしているのですが、あえてそこで指を上げていきます。

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すると、不思議と、するすると体は勝手に前に進み出す。扇子が右を指せば体は右に、左を指せば左に進み続けます。

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扇を掌にすると八卦掌、盃にすると酔拳のような風格がおのずと発生し、そこに道の理があることが分かります。これは楽しいですね。



続きはWEBで! の反対で続きはリアル(戸田公園)で!




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