June 21, 2015

D.L

テーマ:ブログ
レコ屋も服屋もアホ程N.Yに行ってた時代

ある時MUROとレコードショーの話をしてた

何気なく凄い名前が出て来た

デブラージ?!

太っていてデカイの?!

”N.Yに面白いヤツがいるんですよ”

”スゲー掘ってるラッパーで”

当時の買い付けでN.Yのショーに行くのは

ある意味オレだけに許されてた勉強会みたいなモノで

当時のマンの買い付けの前後にオレが勝手に行くだけだった

なにせマンのレギュラーの買い付けは制約が多く

一枚あたり$2くらいが限界で

これを超えると何十倍の金額で売れるモノでも事務所迄呼びつけられて怒られた

なので面白いレコードを都会でゲットして

その記憶を焼き付け直ぐに地方行って同じモノ探し出し

最終的に枚数で割り算してN.Yのショーより安く売る

このシステムため初期の頃はN.Yの滞在日数が以上に短かった

故にオレの会った事の無い

太ったデカイ奴にはN.Yでは対面出来なかった




ある日の渋谷公園通り

電力館の前でMUROに遭遇した

その後ろに異様な出で立ちをした男がいた

”今マンに行こうと思ってところで

あっイタチョー、会った事あったっけ、で

”デブラージです!

そう挨拶いてくれた口元からは

牙付きの金歯がはみ出てた

大したデブでもなくデカくも無い

だがそのヒップホップメンタル丸出しの名前と

ド派手で主張しまくりな

マッチョなヒップホップ時代を引きずった

ニュースクール感を一切感じさせない見た目が

強烈に印象に残った

たしかそん時は日本で活動するみたいな話を聞いただけだった

オレは仕事で一切日本語ラップに関わってなかったので

へーそうなんだ、だった

暫く経ったある日店の内線で

”なんかデブなんとかって言う人が会いに来てます

マンの横にあったボロアパートの一階に来て貰い

入って来た瞬間から山積のレコードに興奮した様子で

”これ売り物ですよね、見てイイですか?

在庫とこれからの出すもんだからダメだねなんて会話しつつ本題へ

一枚の12”出して来て

”イタガキさん これオレらの12"で

スゲーカッコいいと思うんだけど聴いてくれる?って

皆さまご存知のファーストシングルで

ぶっ飛んだ

無性にこのレコードを独り占めして売りたい

こんな気持ちにさせられた日本人の作品と初めて会った

”分かってくれる?いいよね?

”でも全然ドコも取ってくれないんだよね

まじで!?何所に持って行ったの?って聞くと

”シスコとプロップス

褒めてくれるんだけど枚数少なくて、、

渡りに船だった

なんかN.Yでプレスしてなんだかんだであと4~500枚持ってるって

即答で全部買うよって言うと

少年の様なキラキラな笑顔で

”ありがとう!スゲー嬉しい、やっと自分がやってる事を

理解してくれるレコ屋の人に会えた!って言ってた

あの作品を作りあげただけでも凄いのに

ここからが他の人間とは根本的に違った

”お店のポップあれはイタガキさんが書いてるの?

あれオレが自分で書いた方がイイよね?

冗談だと思った

後日レコードが入荷したタイミグで

ふと倉庫から店に行くとレジ脇にデブラージがいた

”イタガキさん ポップの紙とペン貸して、だって

まじで?本当に自分で書くの?

その後 すっかりお馴染みのその辺の床にペッタリ座るスタイルで

絵だか字だか分からない様なモノ書きまくり

失敗しては書き直しを繰り返し

スゲーカッコいいけど全く読めないポップと言うより作品をつくり

ひどくご満悦だった

この辺から事有るごとに

”その辺でミーテイングしませんか?の回数が増え

ちょっと言えない事とかを含めて時は流れる

”今度ソニーでレーベルやるんですよ!

だからイタガキさんマンやめてA&Rやってよ、なんて話が来た

オレ的には意外プラス結構心外な申し出だったので

そんな事絶対やらないよ、と返した

本人曰く ”日本で一番レコード売ってるから、が理由だった

この辺からデブラージ、ブッダの快進撃は皆の知る事だと思う




オレがマンを辞め自分の店を始めてからも

色々な内外のプロデューサーを連れて来てくれたり

どうしても明日迄曲作らなきゃいけないからって

他人に見られたく無いからって夜10位に来て

朝方4時迄レコード聴いて結局お金なくて

又来ます、でそれっきりだったり

狂気とナチュラルが同居する計算高いヘンタイ親父と無垢な少年が同居する

まさにILLな存在だった

近年はオレがDJの仕事を受ける様になってから

一緒にイベントやったり

DJで地方行って一緒に掘ったり

いい意味本質は変わらずで余計な角が取れ

より黒光り加減を増し成熟、熟成した

会話のやり取りも楽しかった

これからの話しなんかもしてたから

まだまだワクワク出来る音楽気違い達の

ILLなおっさんライフは続くんだと思ってた

興味を示してたゴミ漁りにも一緒に行きたかった




才能って有り過ぎると天からの需要があまたで

若くして召されるものなんだな



またね!

今ちゃん




















































































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