先日いつものように何気なくFacebookを見ていたところ、読み応えのある良記事が流れてきました。
この記事を読んだだけでも会社の雰囲気は十分すぎるほど伝わってきますが、クックパッドの中の人が「より良い組織作り」という仕事とどう向き合っているのかにさらに興味が湧いたので、記事を書いた勝間さんに実際に会って話を伺ってきました。
ちなみにクックパッドのブログはGitHubのissueを使って、チームメンバーで記事を校正しあっているとのこと。なるほど、どの記事も読みやすいわけです。
とても印象に残った話
「会社が数百人規模になってくると、全員を一度に幸せにするのは難しい。自分の周りの人たちを幸せにするような小さな取り組みがいろんな所からボンボン立ち上がるようにした方が、社内の環境改善を実感しやすい」
穐田社長を始めとして現場までこの意識が浸透しているという趣旨の話を聞きました。たしかに、「会社の仕組みを改善するために〇〇しよう!」とトップダウンで号令をかけても、運用が中途半端になったり、誰にどんなメリットがあるのかが見えにくかったりで、効果がわかりにくくなりがちです。
特定の人の明確な課題にフォーカスして、その人にとって価値がある解決策に取り組むという意味ではリーンスタートアップの考え方に通じる部分があるのかもしれませんね。
「周りの人たちを幸せにするような小さな取り組みがボンボン立ち上がるようにする」という点で経営層やマネジメントがやるべきこととしては、
- 幸せにする人の範囲が限定的すぎるがゆえに効果が見えにくい取り組みや、時間がかかりそうな取り組みに対して、ストップをかけるのではなく理解を示す
- 現場だけでなく経営層やマネジメント層も、実際にそういう取り組みに参加する
- 取り組んだ結果を会社内外に発表したり、それを賞賛したりする文化を作る
といったあたりが重要になってくるように思います。なぜそうするのかを定期的に言語化しておかないと、継続するのは結構難しい話です。レベル高いですね。
一番印象に残った言葉
「ベンチャーはビジョンをぶらさずに突き進めるかが大事。クックパッドのビジョンには7年勤務した今でもすごく共感できる」
最後の方で勝間さんが言っていたこの言葉が一番響きました。ビジョンはただお題目のように唱えるだけではダメで、それを実現するためにプロダクトや社内の仕組みに落としこまないと機能しません。ちゃんと機能しているビジョンは、このようにメンバーの言葉として社内外に自然と伝播していきます。
そういう地道な文化形成をずっとやり続けたからこそ、現在のような業績にも繋がっているんでしょうね。
クックパッド、やっぱりいい会社だなぁ。