Ingress東北決戦【Persepolis】レポート05 Persepolisでは何が起こっていたか?(推測)
Persepolis仙台でどんな戦略が展開されたのか?
Ingressの大規模戦アノマリーは、現場にいてもさっぱりわからないし、遠目に見ていても、何が起こっているのか(情報源がないと)分かりにくい。
また、「またEnlightened勝利か、Resistance何やってんの!」的な批判もあるかもしれないけど、たぶんそれもお門違いな批評。
事情が分からない理由のひとつに、作戦に参加している人には守秘義務があるっていうこと。つまり、作戦専用コミュニティに参加すると、その作戦内容については情報を公開できないようになっている。だから、一般ののプレイヤーにとっては「意味が分からない」ということになってしまいます。
というわけで、今回『Persepoliceで起こったこと』を私の分かる範囲で書きます。なお、私はどこのHOにも参加してませんし、情報源は基本的にG+などに公開されている情報や、現地で聞いた情報です。可能な限り裏は取るようにしてますが、上記理由で正確な情報を話すわけにはいかない部分もあるので、あいまいかつ推測中心で。間違ってたら、各ファクションの中の人はほくそ笑んで下さいw もしくは、こっそりメッセで情報提供して下さいw
ファクションの守秘義務は分るんですが初心者の人にあるていど面白さを伝えていかないと、せっかく参加した人が『ワケ分からん!』と言って離れていくと思うんですよね。
ひいてはこういう活動が、各ファクションの戦力増強に繋がるワケで。両陣営に大本営発表的な実況を提供するアカウントなんかがあっても面白いと思うんですけどね(ちなみに、海外からの慣習でSITREP……シチュエーションレポートというのがあり、両陣営が活動報告をしていたらしい……今は日本では途切れている?)。
アノマリーってどんな競技? 通常、参加するとどうなるの?
さて、アノマリーの点数はいろんな要素で決まりますが、基本的にはポータルの取り合いです。そして、10分の計測時間のうちどこか定められた非公開の一瞬に、どっちの陣営が指定されたポータルを取っているかでポイントが取れなかったり、取れたりします。
基本的にチーム戦に参加すると、作戦コミュニティで担当がポータルが割り振られます。つまり、このグループの人は、このポータルに行って、ここを保持して下さいという指示が来るわけです。地域コミュとかごと割当てがある場合もあるようです。
(六角形のフチが付いているのが、指定された計測ポータル。1〜4の各計測時間に、違う色が付いている)
現場にいくと、2〜30人の青と緑で指定時間にポータルを確保しようとします。これは普段のIngressとまったく違うゲームです。実際には目に見えませんが(笑)、秒間数発、もしくは数十発のX8が打たれて、AXAシールドでさえ、数秒で溶けてしまいます。さらに、サーバーに負荷がかかる分、遅延も増しますので、正直何をやっているかまったく分かりません(笑)
レゾネータも空いているスロットに挿すのではなく、スロットを指定せずにひたすら挿し続けます。なぜなら、スロットが空いてから入れては遅いし、壊れてスロットが空いたように見えるのでは、もう遅延してだいぶ前の話だからです。
(遅延もあるので、基本、何やってるのか良くわからないけど、戦い続けるワケです……実際の戦場もそうなのかもしれませんが)
つまり、基本的にはレゾ挿し係は延々とレゾを挿し、攻撃係は敵ポータルの間は延々とX8を打ち、防御係は延々とAXAを挿し続けます。加えてUSを打ってシールドを剥がす担当や、現場に来れない遠隔地の人のために事前に配布しておいて、遠距離でリチャージする係の人がいたり、USをレゾ直上で打つとか、現場での作戦はいろいろあるけれど、とかく自分が何をやっているのか? 効果があったのかは分かりにくい。
競技時間は10分ですが、スタート時にそのポータルを持っていた方が最後まで保持するケースが多いので、スタート時にポータルを持っていられるように、10分前、もしくはもっと前から分捕り合いが始まります。つまり、あるポータルの保持が終ったら、次の現場にどっちが先に着くかも重要になります。
また、リンクやCFを保持していると、より大きなポイントが付きますが、このX8の嵐(1000発以上のX8を持ち込むのが普通……)の中でリンクを保持するのはまず無理なので、リンクの作成はあまり重視されない傾向にあります(今回のResは例外だけれども、それについては後述)。
自分たちのポータルが、どっちが取った事になったかにすべてを賭けるわけです。
(※この他にもボライタルポータルに関してとかいろいろありますが、文字数の関係で若干省略。おおまかにはこんな感じですというご理解で。)
広域CF戦、中規模CF戦では何が起こっているか?
でも、ご存じのように、広域戦も重要です。
12月のDarsana東京の時は、襟裳岬、グアム、中国の山東半島をつなぐEnlightenedの巨大CFが作られ、3月の SHONIN京都の時には、Resistanceが瀬戸内の島、岐阜の山奥、奈良と三重の県境ぐらいを覆う中規模CFを作ったら、Enlightenedがカムチャッカ半島、台湾、八丈島の巨大CFで上から覆い返すという作戦に出ました。
(Darsanaの巨大CF)
そのために数日前から、もしくは準備期間を入れると、もっと前から作戦を実行するための『邪魔リンク』それをガードするための『ガードリンク』が張られます。
そのために、海外のエージェントとキーのやりとりがあったり、岬や離島に旅立つ人もいます。そういうことをよく担当する高レベルエージェントになると、アノマリー前にはマークされていて「ヤツが離島や南国に行ってるから、ロングリンクを張るのでは?」みたいなやりとりもあるようです。
たとえば、今回でも当日早朝のインテルマップはこんな感じ。近くは、田代島へのガードリンクがあったり、遠くは、沖縄、台湾、韓国、あたりを繋ぐガードリンクが数多く張られています。
ちなみに、同時刻の仙台近辺はこんな感じ。
(けっこう広い範囲に邪魔リンクがビッシリと張られていただわけだが、結果としてこれが切られるわけだから、リンク切り部隊が一番スゴイのかもしれない。)
結果的に中規模フィールドが張られましたが、おそらくResistanceもEnlightenedも、こうした国家間フィールドの準備も、妨害も、数多くの人が動いていて、結果的に発動させられなかったのか、それともEnlightenedに関していえば、中域フィールドが有効に働いているので、発動させずに済んだのかだと思います。
中規模フィールドに関していえば、今回は、第一計測の25分前に(ちょっと早いけど、これに関しては後述)。蔵王、田代島、泉ヶ岳で成立。
その後、田代島側を金華山に延ばしたり、北側を栗駒山に延ばしたり、南側を蔵王の南側の谷間の神社まで延ばしたりして、多重CFをローリング。
(リンク右側を金華山へ)
(北側を栗駒岳へ)
(栗駒岳が壊された頃にはさらに南に延びていて、CFは維持されている)
多重を外側に延ばして、最終的に4重CFを成立させ、急行した人が壊した時(蔵王に上った人もいるらしい)にも、すでにその外側が成立しているという鮮やかな手際で、仙台全域を覆ったCFを維持し切ったのです。
それがおおいに勝利に貢献したのはいうまでもありません。
Resistanceの新兵器、『スーパーノヴァ作戦』とは?
計測時間があと迫ってきた時間に、Resistanceは仙台市南部にスーパーノヴァを作り始める。
はて? 何をしているの? と思ったが、実は、これこそが、Resistanceの秘策だったのです。
競技領域を上から覆う戦略CFは150ポイント(規模は問われないが、より外側で覆った方が優先される)だが、指定されたクラスタのポータルに接続すれば、10ポイントが得られる。リンク15本で150ポイント。
Resistanceの戦略は、戦力を集中し、ひとつのポータルを守り、多数のリンクを持つスーパーノヴァを作るというものでした。そうするとたとえば、700本のスーパーノヴァを作れば7000ポイントを獲得できるから、第1計測で、それを実現できればその点数の有利を駆って勝ち抜けるという作戦。
奇策ではあるけれど、Enlightenedが巨大CF戦に集中していたたら、十分に集中した戦力を持ってあたれば、新たな作戦で、勝利を掴むことができるはずでした。
なぜ、スーパーノヴァ作戦を不発に終わらせられたのか?
しかし、Enlightenedの対応は早かった。まず、スーパーノヴァの破壊へ戦力が適切に向けられた。Resistanceのスーパーノヴァの作戦にはサイクリスト部隊が多く参加したようだが、そのバイシクルの動きに気がついた現地のEnlightenedエージェントが即座に対応したというのもあるようでした。
続いて、もっとギリギリの時間に張る筈だった(早く張ると早く壊されてしまうから)蔵王、田代島、泉ヶ岳のCFを張って、それ以上リンクが張られるのを防ぎました(CF下に入るとリンクが張れなくなるから)。
(右下にスーパーノヴァ。緑の戦略CFが張られたので、それ以上増強できなくなっている。)
また、ウィルスの免疫管理に失敗したという噂もあります。スーパーノヴァの中心の1番の弱点はJARVISで反転されることですが、ウィルスは1度使ってから1時間は『免疫』ができて反転できない。今回は各時間の30〜40分台に計測だったので、反転されたくないResistanceはその数時間前から40分台でウィルスを使うことになる。逆にEnlightenedは30分直前の28〜9分にウィルスを使うサイクルに持ち込めばResistanceの作戦を成立できなくさせらるのです。
結果として、計測でカウントされたスーパーノヴァは39本。つまり390ポイント。それよりも中規模CFで圧倒したEnlightenedのポイントが圧倒したということです。
実際に市街地で戦っていた人に聞いても、どうもResistanceの抵抗が薄い気がするという話がありました。スーパーノヴァ作戦に人員を割いてしまったがために、市域全体で戦力の不均衡を産んでしまったのかもしれません。
スーパーノヴァの作戦は、戦略CF(それが敵であれ、味方であれ)の影響下に陥ってしまう前に最初に構築しておかなければならない。戦略CFが構築されるとリンクは張れなくなるわけですから、計測時間が始まる前に行われなければならない作戦なのです。
ちなみに、識者の方によるとスーパーノヴァ作戦はドイツのResistanceがSHONIN Hannoverで行なったのが最初だそうです。華々しい奇襲として、世界的に流行しつつあるようです。しかし、こちらの方の考察によると、スーパーノヴァ作戦は「高いポータル支配率を背景として、勝ちを大勝にするための作戦」ということで、仙台でのResistanceの戦力では難しかったのかもしれません。
ともあれ、スーパーノヴァの予兆をみて、即応して破壊に赴いた現場の判断、機動力。全体の動向をみながら中規模CFを張るのを早めたEnlightened HQの判断などが素晴しかったというべきでしょう。
さらに、そこから5重のCFに深めていくあたり本当に素晴しい作戦です。実際にIntel Mapを見ていると、それに関与するガードリンクも多数見られるし、邪魔リンクを破壊するスタッフの配置などにも工夫が凝らされていたに違いありません。
次への戦いはもう始まっている!
しかし、Enlightened3連勝という目に見える結果がすべてだとは思えません。達成しえなかっただけでResistanceもほぼ同様の作戦は行なっているハズなのです。日曜日の夕方、某所で、川島氏も「でも、次あたりはResistanceが来そうな気がするんですよね。相当悔しそうだったし、雪辱を期してくるはずですよ」とおっしゃていた。次のアノマリーに向けての組織作りはもう始まっているのです。
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