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      試験操業開始から3年

      試験操業開始から3年

      東京電力福島第一原発事故の影響で、福島県沖で、一時、全面的に自粛された沿岸での漁が、試験的に再開されてから、22日で3年です。
      安全性の確保のために限定した漁の海域や対象となる魚介類は拡大しましたが、水揚げ量は、今も事故前のおよそ3パーセントにとどまっています。
      原発事故の影響で、一時、全面的に自粛された福島県沖の沿岸での漁は、魚介類の放射性物質検査の態勢を整えたうえで、消費者の反応を確認する試験的な漁として、事故の次の年に再開され、22日で3年になりました。
      安全性確保のために、限定した漁の対象の海域や魚介類は徐々に拡大し、当初、北部の相馬沖だけだった海域は、福島第一原発の半径20キロを除く全域に広がり、魚介類もタコなどの3種類から、キンキやメヒカリ、アワビなど64種類に増えました。
      しかし、漁の回数を限定した試験的な漁のため、去年1年間の水揚げ量は740トンあまりと、事故前のわずか3パーセントにとどまっています。
      これまでの販売は好調ですが、ヒラメなど事故前に主力だった一部の魚介類の出荷制限が続いていることや、水揚げ量が増えても売れ残ることなく買い手が付くかどうか見通せないため、本格操業に移行できる見通し立っていません。
      第一原発のトラブルの影響や若者の漁業離れなどが懸念されるなか、消費者の信頼を回復し、どのように漁の本格的な再開につなげるかが課題となっています。
      試験的な漁が始まって22日で3年がたちますが、漁師たちからは今後を不安視する声が多く聞かれました。
      相馬市の松川浦漁港では、22日、漁船の整備や次の漁に備えた漁具の準備などをする漁師の姿が見られました。
      小型船の船長を務める53歳の男性は「先が見えないの一言です。
      状況はまったく変わらず、進歩がなく、漁を本格的にやりたい気持ちは強いが、頑張ってもうまくいかない。原発の問題が早く収束して震災前の姿に戻ってほしい」と話していました。
      底引き網漁船の船長を務める60歳の男性は「試験操業や本格操業かが問題ではなく、生活していけるかどうかが一番の問題で、震災前のように魚をとって生計を立てるようになるとは考えられない。
      市場や港の施設の整備が進み、99%以上の魚介類からは放射性物質が検出されなくなるなど前進はしているが、
      福島の水産物に対する根強い風評が払拭されることが切実な願いです」と話していました。
      また、福島第一原発での汚染水問題については「一生懸命、東京電力が対応しているのはわかるが、ひとつのトラブルが起きればどれだけの被害を漁師がこうむるのかきちんと胸にとどめて取り組んでほしい」と話していました。

      06月22日 12時48分