新宅あゆみ、山村哲史
2015年6月22日15時12分
東洋ゴム工業が免震ゴムの性能データを偽装していた問題で、製品を開発する部門の担当者に加え、上司や同僚が問題行為を指示したり、不正を知りながら出荷を黙認したりしていた疑いがあることがわかった。開発部門が測定したデータをチェックする品質保証部も、データを書き換えていたことが判明。個人的な不正にとどまらない内容で、会社としての責任が厳しく問われそうだ。
東洋ゴムが調査を頼んだ社外調査チームが22日午後、調査報告書を公表する。
報告書によると、品質保証部の担当者は、顧客からのクレームを避けるためや、事前に用意した資料に合うようにするためにデータを書き換えていた。「上司に相談したと思うが、記憶は定かではない」と証言しているという。
さらに、複数の社員が問題を認識していたことを示唆するメールなどもあるという。開発部門以外にも「(開発担当者に)心理的圧力をかけていたことが疑われる」社員がいるとも記している。
関与を否定する社員もいるため断定は避けたが、報告書は「関与が真実であるとした場合を想定した上で、十分な再発防止策にすべきだ」と提言。関係者の再調査も検討すべきだと指摘している。
4月の中間報告では、現在は子会社に移された開発部門の担当者と後任らが改ざんに関与。上司の監督が適正でなかったことや、担当者が納期に間に合わせるプレッシャーを受けたことが挙げられていた。
性能偽装があったのは、東洋ゴムが1996年以降に出荷した免震ゴム。全国の公共施設やマンションなど154棟に使われており、東洋ゴムがすべての交換を計画している。(新宅あゆみ、山村哲史)
おすすめコンテンツ
PR比べてお得!