マシソン、同点被弾、勝ち越し被弾!4球で天国から地獄
◆巨人3―4中日(21日・東京ドーム)
首位・巨人は中日相手に7回、2点差を引っ繰り返し、勝ちパターンに持ち込みながら、8回にはマシソンが崩れて惜敗。4カード連続負け越しで貯金は1となり、2位・阪神に0・5差へ迫られた。首位から6位までが3・5差にひしめき合う大混戦は、巨人が貯金わずか6でV9を達成した1973年の“再来”にも映る。
歓喜はすぐに、悲鳴へと変わった。そして1分後、東京ドームが静まり返った。G党もなかなか事態をのみ込めない。マウンド上のマシソンも、ぼうぜんと立ち尽くした。7回に3点を奪って逆転。その直後、1点リードの8回だ。先頭・和田からまさかの2連発を食らった。数秒後、一塁側スタンドからは珍しく、ブーイングが巻き起こった。
時間にしてわずか3分。天から地へ突き落とされた。「自分のキャリアでも珍しいこと。和田さんにはいいスイングで打たれてしまった。次の打者にはストライク先行でいこうと思ったが、少し甘く入ってしまった」。7回に坂本、阿部、相川と、打つべき人が打ち、無死二、三塁では村田に代打・高橋由を送り込んでまで、もぎ取った3点だった。あとは1点のリードを守るだけ。そんな流れに乗れないところに、今のマシソンの苦悩があった。
打たれ方が悪すぎた。8回。先頭の和田に2ボールとし、高めの真っすぐをバックスクリーン左へ運ばれた。続くエルナンデスには初球、またも真ん中高めに浮いた球を、左翼席へと運ばれた。不用意すぎる2球だった。「状態は悪くない。次に何を投げるのか、相手が分かっている感じがする」とも振り返ったが、制球の甘さを直視しないわけにはいかない。ブルペンから球は浮き気味だったという。しかも、1発目を浴びた直後の初球も失投。エルナンデスに「1、2の3」という基本通りのスイングを許した。来日4年目にして1試合2被弾は、自身初だった。
和田に打たれた後、切り替えは済んでいたのか―。原監督は「一発というのは防いでもらわないといけませんね」と話し、こう続けた。「本人はある種、百戦錬磨的な投手。そういうことも重々分かっている中で、ああいう結果になったというところ」。19日の同カード初戦では、8回から登板して1イニングを持たず2/3を2失点。逆転負けのきっかけを作った。20日は6点リードの9回に投げ、1イニングを無安打2奪三振。今季、好不調の波が激しすぎる。
打っても守れない“負の連鎖”は続く。指揮官も「後半の守りがこの3連戦を分けたなという感じがする」。初戦に打たれた沢村、2戦目で失点を許した山口など、救援陣の奮起を促した。
1点差の試合はこれで5連敗。4カード連続負け越しで、2位・阪神には0・5ゲーム差に迫られた。開幕時からの貧打を乗り越えたが、今度は“投壊”。だが、敗因がはっきりしている分、立て直しやすい。マシソンは降板後、ベンチを蹴り上げた。その闘志を今度は、マウンドでぶつけてほしい。(水井 基博)