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韓国政府 日韓外相会談を前向きに評価
6月22日 4時57分

韓国政府 日韓外相会談を前向きに評価
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21日行われた日韓外相会談で、懸案となっていた「明治日本の産業革命遺産」の世界遺産への登録を巡り、解決に向けた一定の方向性を見いだしたことなどを受けて、韓国政府は前向きに評価する姿勢を強調し、日本との関係改善に意欲を示しています。
韓国のユン・ビョンセ(尹炳世)外相は21日、就任以来初めて、韓国の外相としては4年ぶりに日本を訪問し、岸田外務大臣と会談しました。終了後、ユン外相は記者団に対し、「明治日本の産業革命遺産」の世界遺産への登録を巡り、来月初めの世界遺産委員会での審議までに、何らかの合意を目指すことで一致したことを明らかにしました。
これについて、ユン外相は日韓が協力していく道筋を見いだした、よい例だとしたうえで、「ほかの問題でも好循環を生み出す方向で進むことを期待する」と述べ、いわゆる従軍慰安婦を巡る問題など日韓間の幅広い懸案の解決を目指していく考えを示しました。
また、韓国外務省は22日、国交正常化から50年になるのに合わせてソウルと東京で開かれる記念行事に、パク・クネ(朴槿恵)大統領と、安倍総理大臣がそれぞれ出席することについて、「関係改善に向けた両首脳の強い意志を示したものだ」と前向きに評価しています。
さらに、「日韓が未来に向かって新たに出発する元年になるよう努力することで日本側と一致した」として、21日の外相会談と22日の記念行事をきっかけとして、今後、日本との関係改善を進めていくことに意欲を示しています。

「百済の歴史地区」とは

今回、日韓両国が世界遺産への登録に協力することで一致した、韓国の「百済の歴史地区」は、4世紀から7世紀にかけて朝鮮半島西側で栄えた百済の古墳群で、韓国西部・チュンチョン南道のコンジュやプヨ、それにチョルラ北道のイクサンの合わせて8か所で構成されています。
韓国政府が世界遺産に推薦している、この「百済の歴史地区」について、ユネスコの諮問機関、イコモスはことし5月、朝鮮半島と、日本や中国との相互交流を通じて成し遂げられた、建築技術の発展と仏教の広がりを示すものだなどと評価し、世界遺産への登録がふさわしいとする勧告を行いました。
今月28日からドイツで開かれる世界遺産委員会で、「百済の歴史地区」の登録が決まれば、韓国で12番目の世界遺産となります。

「総理大臣談話」で歴代内閣の歴史認識表明を

今回の会談に関連して韓国外務省は21日夜、安倍総理大臣が戦後70年のことし発表する「総理大臣談話」について、ユン外相が、日本の歴代内閣の談話で示されてきた歴史認識が、はっきりと表明されることを期待すると伝えたことを明らかにしました。
安倍総理大臣の談話を巡っては、韓国のパク大統領が今月1日、韓国を訪れた森元総理大臣らと会談した際、韓国との関係改善を進める内容にしてほしいなどと述べています。今回のユン外相の発言は、安倍総理大臣が過去の植民地支配と侵略に対し、痛切な反省を表明した村山元総理大臣の談話などを継承するよう重ねて求めたかたちです。
一方、ユン外相は21日夜、記者団に対し、日韓の最大の懸案となっている、いわゆる従軍慰安婦を巡る問題について、具体的なやり取りを明らかにすることは避けながらも、「進展していく状況に合わせて、さらに詳しく説明する機会が来るだろう」と述べ、今後の協議の進展に期待をにじませました。

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