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2015/6/22(月)
鈴鹿のFMが自社番組中止 全社員が出勤拒否
【鈴鹿メディアパークのFMサテライトスタジオ=鈴鹿市住吉町で】
【鈴鹿】鈴鹿市のコミュニティFM「スズカヴォイスエフエム」が二十日から自社番組の放送を中止するトラブルがあったことが二十一日、分かった。放送会社の「鈴鹿メディアパーク」(鈴鹿市住吉町)が期限内に給与を支払わず、全社員が退職届を出して出勤しなかったため。二十二日に外部からの応援で放送を再開する。
同社などによると、二十日午前五時から約五時間にわたって番組を放送せず、放送事故発生時用の音楽が流れた。午後から放送予定だった生放送の情報番組も中止し、代わりにキー局の東京FMが制作した番組を放送。二十一日も同様の状態が続いている。
十九日付の予定だった給与の振り込みがなく、反発した事務職員やディレクターなど七人の全社員が退職願を出し、二十日から出勤していない。役員らは放送局内のシステムを操作できず、自社番組を放送できていないという。
同社は二十一日午後、ホームページに自社番組が放送できなかったことを「番組変更のご案内」として掲載。理由を「機器トラブルの都合」と説明した。同社は二十二日に電波法に基づき放送事故として総務省に報告する。
近く開かれる株主総会で社長に就任予定の加藤正彦副社長は取材に、「ご迷惑をおかけしたことを申し訳なく思っている。予定通りに放送できなかったことを二十二日の番組冒頭でおわびする。今後はこのようなことがないようにしたい」と話した。
給与の未払いについては、「資金繰りに困っていたのは事実だが、ほとんどの社員に給与は支払える状態だと考えていたので若い社員に優先して支払うよう担当者に命じていた。現時点で全額を振り込んでいなかったかどうかは確認ができていない」と話した。
一方、退職願を出した社員は「給与が支払われなかっただけでなく、その説明さえなかった。会社に残金がなく給与が支払えないことを役員に報告したが、社員に任せて対処してもらえなかったと聞いている。全員がラジオを愛していたのに残念だ」と話した。
同社は平成二十年八月に設立し、同二十一年三月に放送を開始した。放送エリアは同市全域で、周波数は七八・三メガヘルツ。二十四時間放送で、うち十時間前後を自社番組が占める。災害時には市が同周波数で避難勧告などの情報を発信している。
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