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大人になった今、ダイレクトにクリームを愉しみたい
以前、何かの折に書いた自己紹介アンケートの「好きな食べ物」欄に、「クリーム」と書いたことがある。
そして、ちょっと考えてそれを消し、ハンバーグと書き直した。「好きな食べ物=クリーム」というのは、なんとなくバカみたいな気がしたからだ。 無難な答えでやり過ごしたのだと思う。けれど、自分についた嘘はそのあとも心の奥で小さく痛み続けた。 その痛みを消し去るには、本当の自分と向き合うしかない。今、力を込めたタイピングで叫びたい。クリームが好きだ。 > 個人サイト テーマパーク4096 小さく息切れ 自分の中のクリームを解放せよ例えば、シュークリームという食べ物がある。クリームを食べやすくするため、便宜的に皮で包んだものだ。
意味はわかる
クリームのおいしさも十分知ってる
いいアイデアだと思う。確かにこれならクリームを食べやすい。
ただ、食べながらいつも「別に皮はいらないんだよな…」と思う。意義は分かるが、私にとって皮はノイジーな存在なのだ。 やっと会えたね
わかりやすく言うと、味噌のような売り方をしてくれたらいいと思っている。
時折、樽を並べて味噌を売っている昔ながらの味噌屋があるが、見かけるたびに「これがクリームだったらな…」と思う。 初めて見たときの驚きがよみがえる
それだけに、チューブにクリームが入った商品があることを初めて知ったときは衝撃的だった。押せばいきなり出てくるクリーム。
夢というものの中には、知らないうちに現実になっているものもあるんだと思い知った。 こんな装飾に囚われたりはしない
エネルギー・カプセル
パッケージにはプリンやクレープなど、メーカーからの使い方提案が載っている。どうやらこれは、直接食べるために商品化されたものではないらしい。
しかし、提案を受け入れるかどうかは別の話。独立した個人として、クリームの食べ方は自分自身で決める。 推奨食べ方イメージ
いつだったか、不意を突かれるように義母から好きな食べ物を聞かれたことがある。それが同僚や知人なら「まあ、ハンバーグとお寿司かな」と答えるところだ。
なぜだろう。不意だったから? いや、「家族」という特別な距離の相手だったからか。僕は自然な流れで「そうですね……クリーム…ですかね」と答えていたのだ。 ちょっと驚いた顔をした義母。それでも笑ったりすることなく「クリーム!ああ、おいしいわよねえ、クリーム!」と同意してくれたのだ。 クリームもこういうシンプルな売り方をしてほしい
まだ妻にもはっきりとクリーム好きを告げていなかった頃だと思う。心の奥底にあった秘密をそっと差し出すことで、解放されたような気持ちになった覚えがある。
それ以来、義母はデパートに出かけると「このケーキ、クリーム多いわよ!」と、クリームの量でチョイスしたお菓子を買ってきてくれるようになった。 クリーム好きをオープンにしたことで、より多くのクリームが集まるようになったのだ。 探してみたらあった
お義母さん、僕は今、世界中の誰からも見える形でクリーム好きを告白しています。
降り注ぐクリームという愉悦
余計なものはいらない。ただ、クリームがあればそれでいい。製菓材料の専門店で見つけたのは、ビニールパックされたカスタードクリーム。
こういうのでいいんだよ、こういうので。パックの端を切り、それを高く掲げた私は、掴んだその手をゆっくりと握った。
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