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IBMとAppleが提携して開発している業種特化型iOSアプリケーション「IBM MobileFirst for iOS」。企業のバックエンドシステムからビジネスデータを収集、分析し、iOS端末上で可視化する仕組みを、航空、銀行、保険、小売り、行政、現場作業など各業種に特化したビジネスアプリケーションとして提供する。日本IBM モバイル事業統括部 事業部長の藤森慶太氏に、同システムの実装方法や国内市場での導入動向、Windows向けビジネスアプリケーションとの差別化について、話を聞いた。
同システムは、iOS端末側のフロントエンドアプリと、企業のバックエンドに設置するサーバ上のシステムで構成されます。フロントエンドアプリはデータを可視化するダッシュボード機能のみを備え、こちら側では表示用データしか保持しません。データ分析はバックエンドのサーバで行います。
バックエンドのサーバでは、ERPなどの基幹システムからデータを収集する機能、データ分析機能、分析結果を可視化するためのデータを作成してフロントエンドに送信する機能を提供します。この仕組みは、あらかじめ用意されたコンポーネントをサーバに導入して、基幹システムから収集するデータセットを定義するだけで構築できます。サーバ環境は、オンプレミスにもクラウドにも対応します。
ただし、データ収集先がERPパッケージなどではなく顧客独自のシステムの場合、データ変換のためにシステム構築が必要になります。
引き合いは、全業界からまんべんなくあります。特に多いのは、フィールドエンジニア向けのアプリでしょうか。製造業のほかに施設や設備の保守メンテナンスに活用されているケースが多いです。
初期導入費用、アプリの利用料ともに個別見積もりですが、月額利用料金は“App Storeで売っているちょっとリッチなビジネスアプリと同程度”をイメージしてください。1ユーザーあたり、1000円~数千円レベルです。
IBM MobileFirst for iOSは、iOSアプリを売って利益を出そうというビジネスモデルではありません。このビジネスで本質的に売っているのは、“業務トランスフォーメーション”です。データアナリティクスと、iOSベースのモバイル端末をビジネスに投入することで、各業界に業務変革を起こす。変革が起こった先に、IBMのビジネスのオポチュニティがあると考えています。
だから、Windowsタブレットではダメなんです。Windowsでは、既存の資産が使えてしまうので、業務トランスフォーメーションが起こりません。
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