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日本語ラップの元祖は誰か?時代を遡って調べていくと意外な有名人の名前が登場!

  音楽

イマドキの音楽はテレビから流れてくるものが耳に入る程度ですが、いわゆる「ラップ」が曲中に入っているのはもう当たり前になっています。アイドルの曲でもそういう曲があり、今やJ-POPにおける手法の一つにさえなったようです。
けどこれって、昔はどうだったかというと全然そんなことなかったですよね。

ラップってもともとアメリカの黒人のものであり、そのライムに日本語を乗せること自体がナンセンスだったわけで、逆にだからこそ面白かったわけです。

日本語によるロックの源流を辿っていくとはっぴいえんどに行き着くとされていますが、では「日本語ラップ」というものの源流を辿るとどうなるのでしょうか…。

大衆に「ラップ」を広めた功労者

同年代の人とそういう話をしていた時に、最初に日本語のラップというものに触れたのはこの曲だと言っていました。あまりにもヒットしたので、同じような人は多いはずです。

リリースは1994年3月9日。
スチャダラパーfeaturing小沢健二 「今夜はブギー・バック (smooth rap)」

日本語というよりも「ラップ」というもの自体、これがはじめての人も多いはずです。本来ヒップホップやラップって海外では特にコワモテのイメージが強かったので、このスチャダラパーが特に印象的だったとも言えます。

この辺りを聴いていくなら、初期の電気グルーヴもラップものがありました。デビュー前後のヒップホップ的な影響から徐々にディスコ、テクノに傾倒していく過渡期の頃の作品です。
電気グルーヴ「電気ビリビリ」

こちらはデビューアルバム「フラッシュパパ」のリメイク版「メンソール」収録。

アンダーグラウンドシーンで日本語ラップがムーブメントを起こす

もう少し遡ってみましょう。
前述のスチャダラパーを排出した「メジャーフォース」というインディーズレーベルを運営していた藤原ヒロシと高木完による「タイニーパンクス」が、いとうせいこうと組んでリリースしたのがこちら。
1986年の作品。
いとうせいこう&TINNIE PUNX「東京ブロンクス」

いとうせいこうって普通の芸能人・文化人のイメージだと思いますが、元祖日本語ラップと呼ばれています。映像も時代を感じますが、この頃こんな音楽はほとんど無かったわけです。

同じ頃近田春夫が、自身の立ち上げたヒップホップレーベル「BPM」からPresident BPM名義で活動していました。
President BPM「MASSCOMMUNICATION BREAKDOWN」

マスコミへのキョーレツな皮肉の歌詞で、タイトルも捻りが効いています(レッドツェッペリンと掛けているのでしょう)。

ちなみにこのBPMレーベルからの作品で、近田春夫+せいこう+細野晴臣(!)のシングルが出てます。細野晴臣の日本語ラップ。この音源は結構レアです。
FOE feat.細野晴臣 with President BPM & いとうせいこう「Come Back」

メジャーというフィールドで日本語をラップに乗せた先駆者

もっと遡ってみると、メジャーなフィールドでトライしている事例はあります。一部では「元祖日本語ラップ」と呼ばれているこの曲は、ヒップホップ文化とは全く異なる出自ですが斬新です。
1984年11月25日リリース。
吉幾三「俺ら東京さ行ぐだ」

これ、ウケ狙いと思われるかもですが、文節ごとに日本語らしく五・七・五調でクオリティ高いです。

そしてこちらも、日本語でラップをした元祖と呼ばれることもある佐野元春。1984年5月リリースのアルバム「VISITORS」で、ニューヨーク仕込みの洗練された曲の中に日本語でラップをしたものがあります。
佐野元春「COMPLICATION SHAKEDOWN」

サムデイやアンジェリーナとは違ったイメージの佐野元春なので、リリース時にはかなり衝撃的だったようです。

電子音楽とラップの融合

前述の吉幾三や佐野元春とは違い、今度は電子音楽とラップという観点で見ていきます。となるとやはり思い浮かぶのは、ヒップホップ音楽の祖であるアフリカ・バンバータが、クラフトワークの「Trans-Europe Express」をサンプリングして作ったあまりにも有名なこの曲。
Afrika Bambaataa & Soul Sonic Force「Planet Rock」

テクノミュージックをサンプリングするというのはかなり斬新だったとのことですので、電子音楽とラップの融合は1982年の段階で行われたということです。

が、しかし。その1年前。
YMOの、1981年3月21日リリースの「BGM」というアルバム。今までのYMOの「ライディーン」「テクノポリス」を代表とするピコピコサウンドのイメージを大きく裏切る、ドンヨリした重いアルバムで、わたしはこの作品が一番好きだったりします。

その中に一曲、細野晴臣が自らラップをしている曲があります。
YMO「ラップ現象」

(Youtubeになかったのでニコニコ動画から貼付けています。この映像はどうにも…)

これ、ラップ自体は日本語ではありませんが、日本人がこの時代にラップをやっているというのは凄いです。タイトルもひねりが効いています(いわゆるラップ現象とラップを掛けている)。

というより今回、年代基準で調べながらまとめていて、これが「プラネットロック」の1年前ということに一番ビックリしました。

これで終わりか?
…と思ったらこのわずか一ヶ月前、1981年2月21日にこちらがリリースされています。小林克也・伊武雅刀・桑原茂一によるコントユニット「スネークマンショー」の作品。YMOの「増殖」に参加して人気が出たこともあり、アルファレコードよりレコードが出たのですが、細野晴臣プロデュース・作曲編曲で、さらにベース&キーボードも細野、ドラムが高橋幸宏ということで思い切りYMOです。
スネークマンショー「咲坂と桃内のごきげんいかが1・2・3」

咲坂守(小林克也)&畠山桃内(伊武雅刀)という設定でのかけあいで、まさに日本語ラップ。
サビの「Here we go everybody, let’s rock’n roll」が頭から離れません。

この二作については、レコードのリリースが一ヶ月程度早いというだけで、レコーディングは同じ頃でしょう。アプローチする角度は違いますが、同じ源流から出てきたような形です。

ただし今回は「日本人のラップ」ではなく「日本語のラップ」という観点ですので、元祖はスネークマンショーに決定!!

※勉強不足で他にもあるかもしれないので、随時更新します。

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