■どんなに強く見える人でも
移住者や地元の人と一緒に、作業したあと飲んでいるときに、一人のおじさんがぽつっと言ったことば。
おじさんは長年コツコツと地域のためになることを考え、純粋な気持ちで活動してきた。中にはそんなおじさんを好く思わず、変なうわさを流したり揶揄する人もいるらしい。それでも彼は、自分の心が「善い」と思うことを、すなおに淡々と続けてきた。
決して腐らず、ひねくれず、こじらせず、ユーモアにあふれ、生き方を背中で見せてくれるおじさん。その人柄に魅かれて、家には若者が集っている。
私は、この言葉を聴いたとき「この方でさえ、そんなに孤独になってしまうところだったんだ・・・」と思った。だから、もっとありがとうって言おう、敬意を伝えて慈しもうと思った。
■「あなたは強いからいいよね」に傷つく
わたしも、色んなことはあれども、常に前向きに人生を進んでいるように見られ「ケイコちゃんは強くていいよね。わたしは~で無理だけど・・・」と言われることがある。
また、質問や講演、「お話をきかせてください」という希望を受けて話をしたら、最終的に
「あ、でも自分はケイコさんみたいにトクベツじゃないから、できないんですけど~」
「自分にはバイタリティも才能もないからできないんですけどねー」
と、「自分とは別の世界」的な腰のひけた態度をとる方もいる。
そういう人の気持ちは「そう思うんだからそうなんだろうな」って思う。ただ、実はちょっと傷つく。残念な気持ちにもなる。顔では笑っているけどね。
じゃあなんで、話を聞きたかったの?自分でも何かしらヒントや熱を得て、すこしでも変化したい気持ちがあったからじゃないの?そのために、めちゃめちゃ準備してきたんですけど・・・。
■才能も性質も選べないけど、人生への姿勢だけは自分が選べる。
ほんとうは、わたしは全然強くない。それなりに悩みもするし、苦しい時もあるし、ひとりでわんわん泣いてることだってあるよ。弱くてもなんとか生きてるだけ。
今やっている仕事も事業も、もともと0から素人がはじめたこと。なんの後ろ盾も、才能も実力もない。そんなにたいした何かにもなっていない。「やれるかやれないか」じゃなくて、ただ「やる」と決めてやってきただけのこと。最初からすべて勉強して完璧になったからやるんじゃなく、壁にぶちあたった時々に、これからの自分に必要だと思ったことを無理やり習得してきただけ。
わたしたちは才能も性質も選べない。だけど、人生への姿勢だけは自分で選べる。だからせめてその姿勢だけは「自分は違うから」「あの人は特別だから」と人生から腰を引くんじゃなく、「自分がプレイヤー」と意識して選んでいこうよ。
(関連記事「プライドは他人に対してではなく自分に対して持て」下手くそでも今日できる限りをアウトプットする理由)
■どんなに強く見える人でも、最初から強い人なんていない
その前提を理解することは、自分に対しての主体性と、相手への敬意につながる。
なるべく腐らない生き方をすることで、生まれるものがある。
自分や人の中にある、弱さもふくめて愛おしみ、光をあてていく人になりたい。
おじさんの背中をみながら、そんなことを感じた日のこと。
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■著作エッセイ漫画 山カフェ日記~30代、移住8年。人生は自分でデザインする~ [コミック]
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