スティーブン・ボスワース元駐韓米国大使(76)は「歴史は決して軽くない。米国は、植民地支配を行った英国の影響から抜け出すのに100年以上かかった」と語った。ボスワース元大使は11日、本紙のインタビューに応じて「韓日関係も正常化のためには時間が必要で、今は最悪と思えても、20年前よりはずっと良く、20年先にはさらに良くなっているだろう」という見通しを示した。1997年から2001年まで駐韓米国大使として過ごし、また87年から95年まで米日財団の会長を務め、両国を非常によく知るボスワース氏は「政治はおかしくても、ほかの分野は依然としてうまくいっている。日本の女性たちが韓国ドラマを見続けていることが重要」とも語った。以下は、一問一答の要約。
-今の韓日関係をどう見るか。
「政治は問題だが、両国は貿易・観光・人的交流など常に相互関係を保っている。政治は重要ではあるが、全体を覆すほどではない」
-それでも、両国首脳が一度もきちんと会わないまま3年が過ぎた。正常ではないのでは。
「歴史が多くの影響を及ぼしている。とはいえ、これは韓日関係に限ったことではない。米国と英国を見るといい。植民社会の影響をいまだに受けている。100年以上過ぎても容易には消えない。私が見るに、長期的なアプローチが必要だ。過去史問題だとか、双方のリーダーシップだとか、全て長い目で見るべきだ。現在の状況から政治的利益を得ようとしてはならない。過去史をめぐる日本政府の従来の立場を安倍晋三首相が変えようとしているのではないか、という懸念を抱くよう仕向けてはならない」
-安倍首相は従来の立場を変えようとしていないのに、韓国が誤解しているということか。
「一部の日本人は、過去史に関する限り、どれだけ謝罪しても絶対に韓国を満足させることはできないと言っている。重要なのは、侵略の誤りを認めて謝罪した過去の首相の声明を、日本政府が変えないことだ。歴史は本当に重い。韓日関係において、非常に重みのある遺物だ」