ロシア海軍の新たなエクラノプラーンは北極圏で活動できる

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『中央海軍ポータル』(フロートコム)より
2015年6月19日8時23分配信
【軍用エクラノプラーンは北極圏で動作できる】

アレクセーエフ設計局はフォーラム『軍-2015』でエクラノプラーンプロジェクトを提示した。
それは軍事目的を含め、様々に使用する事が出来る。


同社のブースで『ロシア連邦の軍事』特派員が聞いたように、提示されたエクラノプラーンプラットフォームであり、発注者の要望に応じて中身が満たされる。
それは特に兵装を搭載できる。

エクラノプラーンの将来の運用方向の1つは、北極圏での動作である。
この機体は、氷上や雪上での離陸及び着陸が可能である。

将来エクラノプラーンの建造は、未だ決定されていない。
恐らくはアレクセーエフ設計局が独力でこのプロジェクトを実現し、契約相手から生産が可能な生産場所が提供されるだろう。

エクラノプラーンは空気力学スクリーンの活動境界を飛行する高速輸送手段であり、水上と地上の表面から低高度(数メートルまで)を行く。
同じ重量と速度で、エクラノプラーンの翼面積は飛行機よりも遥かに小さい。
国際分類によると、エクラノプラーンは海上船舶となる。


2015年5月末、ロシア海軍造船管理部長ウラジーミル・トリャピチニコフ氏は、ロシア海軍が将来的に新たなエクラノプラーンの開発を計画している事を明らかにしました。
[ロシア海軍はエクラノプラーンを復活させる]

旧ソ連時代の一連のエクラノプラーンを設計したR.E.アレクセーエフ記念水中翼船中央設計局は、500トン級エクラノプラーンの開発に着手しています。
『ロシア通信社ノーボスチ』より
2015年5月19日16時35分配信
【ロシア連邦は離陸重量500トンの大洋エクラノプラーンを開発する】

この大型エクラノプラーンは、乗客輸送、国境線警護、北方(つまり北極圏)での任務などといった用途を有します。
顧客として国境警備隊ロシア国防省(つまりロシア海軍)が想定されており、汎用プラットフォーム(エクラノプラーン)へ、各顧客に合わせた様々なシステムを搭載します。


500トンというサイズは、ソ連時代に造られた「カスピ海のモンスター」KM(544トン)とほぼ同じです。
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ロシア海軍将来汎用揚陸ヘリコプター搭載艦プロジェクト「ラヴィーナ」

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『ロシア通信社ノーボスチ』より
2015年6月19日11時16分配信
【軍事産業企業体:ロシアは「ミストラル」の代わりを開発した】
クビンカ(モスクワ州)、6月19日-ロシア通信社ノーボスチ

クリロフ国立研究センター「ミストラル」に代わる排水量24000トンの汎用揚陸ヘリコプター搭載艦プロジェクト「ラヴィーナ」を開発した。
金曜日、ロシア通信社ノーボスチは、展示会『軍-2015』の開催中に軍事産業企業体の高位の代理人より伝えられた。

ロシアフランスは、双方が共通の分母へ到達できるまで「ミストラル」型1番艦の引き渡しの為の交渉を進める。
同時に、ネフスキー計画設計局は、フランス「ミストラル」を代替できる排水量14000トンの揚陸艦プロジェクト「プリボイ」を開発している。

「クリロフ記念科学研究センターは、ミストラルに代わる排水量24000トンのヘリコプター空母プロジェクト"ラヴィーナ"を開発しています。
それは、フランスの艦(21000トン)よりも更に大型です」

対談者は話した。

将来艦の設計方式は半トリマラン(3胴式)であり、航続距離は18ノットで5000海里、最大速力22ノット、乗組員320名。
揚陸部隊500名或いは50両の装甲車両を積載できる。

「プロジェクトは、16機のヘリコプターの搭載を提供します:多目的ヘリKa-27、輸送戦闘ヘリKa-29、打撃ヘリKa-52K」
軍事産業企業体
の代理人は話した。
更に、6隻のプロジェクト11770「セルナ」揚陸艇或いは6隻のプロジェクト03160「ラプトル」揚陸強襲艇を搭載するだろう。
艦の兵装は、同プロジェクトによると、AK-176M砲塔及びAK-630M2「ドゥエト」海洋高射複合体「パーンツィリ-ME」である。

2隻の「ミストラル」型ヘリコプター空母の供給契約は2011年にフランスのDCNS/STXロソボロネクスポルト(ロシア兵器輸出公社)との間で締結された。
フランスは、昨年11月に1番艦「ウラジオストク」を引き渡さなければならなかったが、それは実行されなかった。
12月、フランス首相マヌエル·ヴァルスは、取り引きの挫折の可能性について話す事は「時期尚早」であると表明した。
ロシアは、フランスへ艦の引き渡し或いは返金を望んでいる。

以前、ロシア海軍総司令官ヴィクトール・チルコフ大将は、ロシア海軍揚陸艦の構成は、2050年には完全に更新されると表明した。


[ロシア将来大型揚陸艦]

ロシアフランスへ2隻の「ミストラル」級ヘリコプター揚陸ドック艦(ヘリコプター空母)を発注し、2014年と2015年に引き渡される筈でしたが、フランスウクライナ情勢に関連して引き渡しを凍結しました。
現在は、「ミストラル」級の引き渡しを取り止め、ロシアへの代金返却及び補償の方向で話が進められています。
[フランスのミストラル級引き渡し保留問題]

一方、ロシアは、以前から「ミストラル」級のような艦~将来ヘリコプター揚陸ドック艦~を自国で建造する事は可能であり、その計画が有ると何度も表明しています。
[ロシアの造船所はミストラル級のような艦を独自に建造できる]
[ロシアは独自のヘリコプター空母の建造を計画している]
[ロシア造船業界はミストラル級のようなヘリ空母を建造する用意がある]

2015年6月中旬、新世代汎用揚陸艦「プリボイ」級の建造が開始される事が明らかにされました。
[ロシア海軍の新世代大型揚陸艦は2020年に就役する]
[ロシア海軍の為の新型汎用揚陸艦プリボイ級が建造される]
「プリボイ」級「ミストラル」級よりは小さい14000トンの艦です。

そして「プリボイ」級の存在が公表されてから3日後、今度は、より大型(24000トン)の汎用揚陸ヘリコプター搭載艦プロジェクト「ラヴィーナ」の存在が明らかにされました。

設計は「クリロフ国立科学研究センター」との事ですから、将来空母概念設計案プロジェクト23000E「シトルム」将来駆逐艦概念設計案プロジェクト23560E「シクヴァル」と同様に、「ミストラル」級のような将来ヘリコプター揚陸ドック艦の概念設計案でしょう。
(汎用揚陸艦「プリボイ」級ネフスキー計画設計局が設計)

こちらは、「プリボイ」級とは違って現在の所は具体的な建造予定は無いようですが、将来的には、このままの形では無いにせよ、このタイプのヘリコプター揚陸ドック艦が実際に建造される可能性はゼロではないでしょう。

ロシアはフランスのミストラル級ヘリ空母購入契約を通じて大規模ブロック組立技術を取得した

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『ロシア通信社ノーボスチ』より
2015年6月18日9時7分配信
【フランスはロシアへ「ミストラル」建造技術の一端を渡した】
クビンカ(モスクワ州)、6月18日-ロシア通信社ノーボスチ

フランスロシア「ミストラル」型ヘリコプター空母の建造に用いられた大規模ブロック組立技術を渡した。
木曜日、ロシア通信社ノーボスチ「統合造船業営団」軍事技術協力部門取締役アレクセイ・ディキンより伝えられた。

「ロシア連邦国防省とフランスのDCNSとの間の契約下では、3つのタイプの技術が渡されました。
3者が、これらの技術を取得し、最初の2つは国防省のニーズにより使われ、第3はアドミラルティ造船所へ提供されました。
それは、ミストラルの建造に用いられた大規模ブロック組立技術です」
ディキン
フォーラム『軍-2015』で表明した。

彼は、エンジニアリング・センター「アドミラルティ造船所」フランス側から「ミストラル」後部の図面を受け取り、それはバルト工場の生産設備に適応され、大規模ブロック組立により建造が実施されたと説明した。

ディキンは、統合造船業営団の企業は、ヘリコプター空母の為の後部を製造する契約下での全ての義務を履行し、彼らの業務への支払いを受けており、艦の運命に関する交渉には、もはや関係が無い事を強調した。

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ロシアフランスへ2隻の「ミストラル」級ヘリコプター揚陸ドック艦(ヘリコプター空母)を発注し、2014年と2015年に引き渡される筈でしたが、フランスウクライナ情勢に関連して引き渡しを凍結しました。
現在は、「ミストラル」級の引き渡しを取り止め、ロシアへの代金返却及び補償の方向で話が進められています。
[フランスのミストラル級引き渡し保留問題]

2011年6月に締結された「ミストラル」級売買契約には、フランスからロシアへの技術移転も含まれています。

今回の記事で触れられているフランスからロシアへ渡された3つの技術は、具体的には戦闘情報管理システム、通信管理システム、そして大規模ブロック組立技術です。
[ロシアは2番艦セヴァストーポリの引き渡し後にミストラル級ヘリ空母に関する契約上の支払いを完済する]

アレクセイ・ディキン氏によると、最初の2つ(戦闘情報管理システム通信管理システム)はロシア国防省へ渡され、大規模ブロック組立技術「アドミラルティ造船所」へ渡されたとの事です。

そして「アドミラルティ造船所」から更に技術移転された「バルト工場」は、「ミストラル」級ヘリコプター揚陸ドック艦2隻「ウラジオストク」、「セヴァストーポリ」の後ろ半分を建造しています。
[バルト工場はヘリ空母ウラジオストクの船体を起工した]
[ロシアで建造されたミストラル級ヘリコプター揚陸ドック艦ウラジオストクの船体後部は進水した]
[ロシア海軍向けミストラル級2番艦の後部はバルト工場で起工された]
[ロシアで建造されたミストラル級ヘリコプター揚陸ドック艦セヴァストーポリの船体後部は進水した]

建造技術(大規模ブロック組立技術)の導入に関しては、2009年9月下旬にロシア国防省「ミストラル」級購入の為の交渉が進められている事を公式に認めた際にも言及されています。
[ロシア国防省は、「ミストラル」型揚陸艦購入交渉が行なわれている事を認める]
この時、ウラジーミル・ポポフキン国防相代理は、かつてのロシア帝国皇帝ピョートル1世(ピョートル大帝)を引き合いに出し、「将来の航空母艦建造の為の基礎を学ぶ」と述べています。


「ミストラル」級ヘリ空母そのものをロシアが入手する可能性はもはや無くなってしまいましたが、「ミストラル」級の導入により得た大規模ブロック組立技術は、今後のロシア海軍大型水上艦の建造に大いに役立つでしょう。

例えば、将来駆逐艦「リデル」級とか、その先の将来正規空母とか。
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ロシア海軍黒海艦隊の小型ロケット艦ミラーシュは初めて地中海へ行く

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『タス通信』より
2015年6月17日18時44分配信
【小型ロケット艦「ミラーシュ」は初の地中海任務遂行へと向かった】
モスクワ、6月17日/タス通信

黒海艦隊小型ロケット艦「ミラーシュ」は、本日(6月17日)、地中海ロシア連邦海軍常設グループの一員として任務を遂行する為、セヴァストーポリを抜錨した。
タス通信は、黒海艦隊情報供給部長ヴャチェスラフ・トルハチェフ1等海佐より伝えられた。

「これは、戦力の計画ローテーションに沿って行なわれる同艦の乗組員にとっての初の遠海ゾーンへの出航です」
彼は説明した。

現在、地中海では、親衛ロケット巡洋艦「モスクワ」、警備艦「プイトリーヴイ」、エアクッションロケット艦「サムーム」、大型揚陸艦「アレクサンドル・シャバリン」を含む黒海艦隊バルト艦隊の10隻以上の艦船が任務を遂行している。


黒海艦隊所属のプロジェクト12341小型ロケット艦「ミラーシュ」は、1983年8月30日にレニングラード(現サンクトペテルブルク)アルマーズ造船所で起工され、1986年8月19日に進水、同年12月30日にソ連海軍へ納入されました。
翌1987年2月24日に黒海艦隊へ編入され、正式に就役しました。
[小型ロケット艦「ミラーシュ」]

2008年8月の南オセチア紛争においては、グルジア海軍の艦艇部隊と交戦し、警備艇1隻を対艦ミサイル「マラヒート」で撃沈、もう1隻の戦闘艇高射ミサイル「オサー-M」で撃破しました。
[アブハジア沖海戦(仮)続報・その3]
[アブハジア沖海戦「詳細」]

現在のロシア連邦海軍において、実戦で敵艦を撃沈した実績を持つ唯一の艦です。

その後も黒海の中だけで活動していましたが、今回、初めて地中海へ派遣される事になりました。


現在、地中海に展開するロシア海軍の艦船は、少なくともこれだけ居るようです。

親衛ロケット巡洋艦「モスクワ」(黒海艦隊)
警備艦「プイトリーヴイ」(黒海艦隊)
エアクッションロケット艦「サムーム」(黒海艦隊)
大型揚陸艦「アレクサンドル・シャバリン」(バルト艦隊)
大型揚陸艦「ニコライ・フィリチェンコフ」(黒海艦隊)
大型揚陸艦「ツェーザリ・クニコフ」(黒海艦隊)
大型揚陸艦「ノヴォチェルカッスク」(黒海艦隊)
大型海洋給油船「イワン・ブブノフ」(黒海艦隊)
海洋曳船「MB-31」(黒海艦隊)
救助曳船「シャフテル」(黒海艦隊)
中型偵察艦「プリアゾヴィエ」(黒海艦隊)
工作船「PM-138」(黒海艦隊)


数日後には小型ロケット艦「ミラーシュ」が加わる事になります。
その代わりに、現在地中海に居る艦の何れかが黒海へ戻りますが。

ロシア海軍の為の新たなコルベットが建造される

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『タス通信』より
2015年6月16日11時25分配信
【総取締役:設計局「アルマーズ」は新たなコルベットを作成し、2019年にトップ艦が竣工する】
「愛国者」公園/モスクワ州/6月16日

中央海洋設計局「アルマーズ」は、輸出用プロジェクト20382「チグル」をベースにしたロシア海軍の為の新たなコルベットを作成する。
6月16日、タス通信は、同社の総取締役アレクサンドル・シリャフテンコより伝えられた。

「チグルへの関心は、南東アフリカが明らかに示しております。
そして、最も重要なのは、我が海軍も興味を持っているという事です。
我々は、今、完全に新たな艦を作ります。
このコルベットは画期的となるでしょう」

対談者は、モスクワで開催されているフォーラム『軍-2015』において表明した。

彼によると、艦の排水量は、最大で4000トンとなる。
プロジェクト20380をベースにして作成された「チグル」の排水量は2200トンである。

シリャフテンコは、新たなコルベットの起工は2017年に計画されており、トップ艦の引き渡しは2019年に予定されている事を明らかにした。

「この艦は、非常に良好な耐航性を有しており、新たな流体力学設計が用いられ、船体は新しいものとなります。
それは、部分的に電気推進が実現されます。
兵器は全て異なり、部分的にモジュール方式となります」

対談者は話した。

彼によると、新たな艦は、警護及び打撃の機能を果たす事が可能であり、全てのゾーン-水上、水中、空中-をカバーできる。
「それには、検出システム、潜水艦破壊システム、強力な対空防衛が在ります。
また、海上目標並びに沿岸目標の撃破を保障する打撃兵器が有ります」
シリャフテンコ
は説明した。

おそらく、新たな艦は、サンクトペテルブルクセーヴェルナヤ・ヴェルフィで建造されることになるだろう。
このタイプのコルベットの為の動力装置はルイビンスクで作成される。
「我々は、既に作成を開始しておりますが、エンジンには僅かな遅延があります」
対談者は確認した。


プロジェクト20382「チグル」は、ロシア海軍向けのプロジェクト20380の輸出ヴァージョンです。

『アルマーズ』公式サイトより
【プロジェクト20382「チグル」】
基本的には20380と同じですが、購入国の要望に合わせて様々な兵装を搭載できます。

しかし現在の所、採用国は有りません。

そして今回、アルマーズ設計局は、この20382をベースにしたロシア海軍向けの新型コルベットを設計している事を初めて明らかにしました。

この新型コルベットは、ベースになった2038220380よりも大型の艦となるようです。
兵装は一部がモジュール方式となり、幾つかの選択肢から選べるようになります。

記事中では、コルベット動力(エンジン)ルイビンスクで製造されると書かれていますが、これは具体的にはガスタービンエンジンを指しています。

新コルベットの1番艦は2017年にサンクトペテルブルクセーヴェルナヤ・ヴェルフィで起工され、2019年にはロシア海軍へ引き渡される予定との事です。