オタクDEワイン!シンクのティスティングノート

☆アキバ系ワインブログ☆

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セカンド格でも圧倒的なカルトの実力。流石のクリス味。 クリス・リングランド・ディムチャーチ

うぇるかむ!
私は醸造家が一番大事だと思っており、または醸造家で優先して買う事も多かったりします。
なので、好きな醸造家は優先的。そう、例えば彼ですネ。

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クリス・リングランド・ディムチャーチ2009
単刀直入に言えば、クリス・リングランドの本家セカンドです。

ラベル・ストーリー(最大5pt)
♥♥♥♥♥
アメリカワイン的な雰囲気を漂わせておりますが、しかもめっちゃくちゃレアアイテムのひとつで完璧なカルトです。セカンドなのに。
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この本数表示が目にはいらぬかーッ!

作り手は言わずもがな、クリス・リングランド兄貴。
今年の始めには3RDも紹介してますネ
オーストラリアおよびスペインでのパーカーご贔屓なトップ醸造家であります。
ファーストをいつか飲みたい私ですが、今回はセカンド格・・・・・・なのですが、日本では全然情報がありません。
不思議なほど情報が、ない。
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ディムチャーチで検索しても、鉄道の名前しか出てきません。
裏ラベルにも「ディムチャーチっていう単一畑だよー」みたいなぐらい。
ネットショップはおろか、販売されていた形跡がないぐらいのものです。
さて、困りました。
そこで、もうさっさと別の項目に向かうわけです(おいおい

香り・味わい(最大10PT)
♥♥♥♥♥♥♥♥♥♥
ひえ~っというぐらいクリス・リングランド
恐ろしくクリス味。いえ、そりゃそーなんだけど、しかしそこそこある分家に通づるものがちゃんと本家のセカンドにもあるわけです。
それがとにかく恐ろしいのがクリス・リングランド。
一説によると彼は得意土壌といいますか「オイラ、この土地柄とブドウでねーと作らねーんだわ」というような基準があって、そこでしかプロデュースしない=クリス味にどれもなる=彼はテロワーリストである・・・という図式も。
ホンマかー、なんか醸造中に怪しいモノ入れたりしないのーと不思議なぐらいチャイナドレスを彷彿とさせる味です。

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色はド濃くて透けない赤紫。黒にかなり近いでしょう。紫さすらほぼない。
香りにオリエンタルなイメージを抱かせる茶葉、ド強いスパイスに八角(スターアニス)などがあってもうこれぞクリスの香りです(!?)
東洋といいますかアジアンといいますか・・・・・・即イメージさせるような中華料理が食べたくなる香り。
果実のガツンとしたカシスなりブラックチェリーなりもゴロゴロとさせています。
舌にのせても中国茶と八角のスパイス、アルコール度数の高さがにじみ出るようなウィスキーめいた香ばしさとカシスにチェリーなど重たい果実感。
時間が経つとヨーグルトを思わせるぐらい乳のタッチもあります。全体にド強いのですが、しかし強い中にバランスはとれているのもひとつポイント。
果実爆弾というワードをパーカーたんは使ったりしますが、そういう雑さでもなく、果実アスリート重量級的な?
総じて強く、そして全部にバランス良く甘味酸味タニックさなどが含まれていつつ、八角の香りがセクシーであると。
crを紹介した時に「今飲んだ時にはこっちのが旨いのでは?」と書きましたが、あっちがもっとストレートかつスマートなキャラであったのとはもっと違います。
同じコスチュームでも大胆さやボディや性格が違うって訳(わかる人は艦これの同種同絵師の例えば妙高型とかを思い浮かべていただければその違いがわかりやすい?)
私は自ら迫ってくるような、セクシーお姉さん系(でもオバサンでもない)が大好きです。つまり、そういうワインです。

コストパフォーマンス(最大5PT)
♥♥♥♥♥?
まず売っている店があるのか。
なにせ、輸入元のオーチャードインポーターの公式hpでも存在が確認出来なかったのですから・・・・・・
売ってたとしたら2万ぐらい?もっと安いのかな・・・・・・しかし、そういう格は持っている事は間違いありません。
この段階でカルトワインとして十二分に多くのワインと渡り合っているのだから恐ろしいです。
ファースト(スリー・リバーズ)はそりゃ10万というハーラン・エステートだとかと殴り合いをしているようなワインなので、手が届きませんが毎度のことクリス・リングランドのワインには「これで既にカルトワインだよネ?」と思わせてくれます。
そういった訳で、このワイン、お金があればアレであります。そう、
「消費者は見かけたら地を這ってでも買うべし」

という訳で、クリスリングランドのセカンドでした。
いやー、こりゃもうカルトです。何度か紹介してきたクリス・リングランド味の集大成めいて・・・・・・あ、いや、ファーストがあるのか。
いつか呑みたい(ため息

日本のネット上には存在すらしてない勢いなので、これオイておきますネ

ついでに調べてる最中にコレが出てきたので貼っておきます・・・ほぼ無関係なんですが、というのも先日コレを手に入れたのでいつかレビューするんですけど、レアリティ高いらしく私が紹介する頃には売り切れでしょうから。

個人的には蔵土縁紗夢っぽいキャラ・・・と思ったらこいつもこいつでロクにグッズが出てこない!今日は検索不良か・・・?

| オーストラリア | 23:24 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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ロックなロゼは、意外と繊細!?そもそもロックなロゼって・・・・・・ チャールズ・アンド・チャールズ・ロゼ2013

うぇるかむ!
これからまーた懲りずにワインを呑みにいきまくるので、生きて帰ってこれる自信がありません!ので、日中更新~。生きてたら夜も更新したいけどネ。
昨日は雨ザーザーだったりで何とも雨っぽく、レーヴェンズウッド・ビシージドをやりましたが、今日は逆に洗濯日和。そんな日にダラダラと飲みたい感じの逸品です。

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チャールズ・アンド・チャールズ・ロゼ2013
ロックすぎるでしょこれ・・・・・・

ラベル・ストーリー(最大5pt)
♥♥♥♥(個人的には+♥)
このアメリカ代表ロゼだぜ!みたいな自信っぷり!!
ジャケ買いワイナリ、Kヴィントナーズ(チャールズ・スミス)のロゼであります。
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裏も当然めっちゃカワイイ。いやぁ、これこれ、こういうデザインセンスが低価格帯は大事ですヨ。

作り手はチャールズ&チャールズというワシントン州のメンツ。
当ブログ開設当初と2012ヴィンテージのカンフーガールぶりですネ。
好みのワイナリなのに意外とやってないのは、私がブルガリアとかオーストラリアとか南アフリカなどを優先度あげてたからなのですが・・・・・・
さておき。
このワイン、実は「フランスの技術輸入系」のワインであったりします。
というのも、このワイナリは二人のチャールズというオッサンが組んだから「チャールズ&チャールズ」なのですが、そのうちのチャールズ・ビーラー氏はプロヴァンスのロゼ一家なんですネ。
シャトー・ロータスというロゼ人気の高いワイナリの所有者→売却してロゼ専門で独立している一家。
で、チャールズ・ビーラー氏は飛んでアメリカでワインインポーター経営とかしてたんですけど、彼の血筋がこう叫びます

「は?なんでメリケンってこんなにロゼ作ってるのにロクなのがねぇの?・・・・・・手本をみしてやんよ」(意訳)

で、ビーラー氏がスミスに電話で

ビーラー「おいチャールズ、お前ブドウの栽培家どっか教えてくれや。そしたら、ワシがプロヴァンスの流儀ってヤツを叩き込んでやりますけぇ・・・・・・」
スミス「上等だよチャールズ、ワイの眼鏡にかなわんモン教えよったらシバいたるからなぁ・・・・・・!」

と、何故かヤクザめいて書いてみましたが、そんな訳で二人の危ないチャールズおじさんがタッグを組んだのでした。
日本では残念なことに、カベルネ&シラーの方が先に輸入され始めていた訳ですネ。
それだけロゼ人気!などと言いつつロゼの価値が日本で低いのかがわかります。

雑誌の評価は低価格帯アメリカンロゼとしてはなかなかいい感じ。
人気で3万5千ケースも作れるぐらいに拡大されて売ってるものの、ワイン・エンシュージストの年間トップ100だとかスペクテイターでバリュー部門をとったことがあったりとか。
米国誌もスペクテイターで87点、アドヴォケイトで88点。微妙数値ですが、そもそもロゼがこの二誌ロクに点数あげないんでロゼ部門で見ると高い評価だったり。
そんなこんなで、カリフォルニアの新定番ロゼみたいなワインにラベルだけでなくなっていたり。実際どうなの?

香り・味わい(最大10pt)
♥♥♥♥♥♥
すっきりスイカ味!
かなりサラサラ系です。まとまりはいいけど、中庸な感じでグイグイ呑んでOKな気がしますネ。
大柄な華やかさとかはないですし、あくまでも基本に忠実なロゼなのではないでしょうか?

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色は少し赤みが強いピンク。
シラー比率が高いので、色も多少濃い目なのかな?と思いつつ香りをとると意外と迫力系ではないことがわかります。
プロヴァンスハーヴっぽいっちゃーぽい、そんなちょっとした草葉要素に赤系果実がほんのりと。
チェリッシュ差も程々程度に見られます。ガッツリした要素は控えめ。思ったよりスパイス感とかありませんでした。
味わいも同様、第一印象はむしろ味が薄く感じられるぐらい。
こまかーく赤果実と白身果実の両方を感じさせつつ、そこそこミネラリー(っぽい)ところがあります。
これらのボリュームは地味に控えめ。
ロックンローラーのワイナリってふれこみなのに!電車のなかで音量めっちゃおとしてるみたいな?
そんなお行儀の良さを感じさせるのはアフターまで続いてまして。
口当たり自体はそこそこ重たみがあるのに、みずみずしい果実感でフィニッシュ。
全体に香りからきていた葉の印象とこうした果実の感覚からスイカを連想させてくれます。
それも、そんなガッツリ熟してない感じ。
海外のリゾート地という田舎だとかではなく、日本の田舎の光景です。まま、夏の縁側で飲みたいぐらい。

コストパフォーマンス(最大5pt)
♥♥♥(これからの季節にはより+)
2500円前後のロゼ、としては特筆する程かと言われると微妙な気もしますが、日本ではそもそもロゼが全般的に高かったりシャパシャパだったりしますからネ。
味わいの方向性がとても夏向けで、むしろヘタな樽ドネとかよりも涼しい気分にさせてくれることでしょう。
よって、個人的にはサクッっと言えで買っておいて呑むのにいいかと思います。
テーブル用として多めに持っておくのはありなタイプ。日本ではあんまりダンボール買いみたいな事なんですが、そういうなんとなくのロゼストックに向いた作りだと思います。
逆に、ワイン会ではラベルの割におとなしいキャラがあんまりウケなさそうであります。ワイン会の場合、奇抜で斬新なラベルは奇抜な味であったほうがウケいいと思うッス(逆におとなしいラベルがハデハデだったりするとたまにウケるんですがネ)
料理は邪魔しないタイプではあると思います。ただ逆に何が良いかといわれるとちょっと悩む。食前酒寄りかな。

という訳で、チャールズ&チャールズ・シラー・ロゼ2013でした。
あっつーい夏にオススメせざるを得ないワインです。
これからのデイリーにたまにはこんなのも悪くないのではないかと。

市場には結構あるっぽいので、お好みのお店で購入を。

むちゃくちゃ懐かしい印象なのだけど、実はやったことが無いゲーム。なんかこういう優等生っぽさ?

| アメリカ | 13:44 | comments:2 | trackbacks:0 | TOP↑

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梅雨向けに、強いワインは如何?プティ主体の烏野なバラエタルな作り。 レーヴェンズウッド・ビシージド2013(ソノマカウンティ)

うぇるかむ!
日本中梅雨ですね。沖縄は早くも終わったなどと言われてますが未だにかしこも雨雨雨であります。
で、そんな感じで陰鬱になる季節にこそ、こういうワインも面白いのではないかなぁと。。

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ビシージド2013
レーヴェンズウッドのリミテッドリリースシリーズのヘリテージブレンド・・・なんとプティ・シラー主体です。

ラベル・ストーリー(最大5pt)
♥♥♥(個人的には+♥)
リアル版レーヴェンズ
このホラーっぽいラベル、たまらなくないですか?いつものアイコンもサクッとはのっていますが、あの「3匹のカラスアイコン」がリアルになるとこうなる訳です。
バイオハザードかな?それともサイレント・ヒルかな?
格式張らない上では、このワイナリの経歴もあってたまらない雰囲気です。

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このワイン、正体は「レーヴェンズウッドワイナリーがやっている期間限定ワインを珍しく日本で入荷した」というようなモノ。
ジョエル・ピーターソン率いる名門のちょっと変わったワインであります。
レーヴェンズウッド、またはレイヴェンズに関しては割愛します。「アメリカのジンファンデルを作ってるワイナリ」として最も有名でスーパーなどにもヴィントナーズブレンド版が売っているような大衆性のあるワイナリです。
名門すぎて、その息子のワインを紹介したり名言である「(ロゼブームに対して)軟弱なワインなんぞFXXKだ」という発言は引用したりしてたのに紹介してなかったぐらいです。
これ以上書くことがないぐらいのものですが、日本での評価はそうした低価格版に収斂されがちであり、実は1万円ぐらいのジンファンデル単一畑シリーズとかがあったりすることはあまり知られていません。
更に、ヴィントナーズ版(超広域版)→地域版→畑限定版という基本の他に「リミテッド・リリース」という微妙に実験的に作る何かもあったりするのは更に知られていません・・・・・・っていうか私も初めて知りました!

今回のビシージドは日本語でいうと「悩ましい状況」って感じ。
レーヴェンズウッドの初収穫時がえっらい豪雨でしかもカラスが3匹も不幸めいて飛び回っている状況で死に物狂いになってた当時を振り返った感じなんですね。
で、結果的に良いワインが出来た。ヤッター!というわけでワタリガラスのアイコンまで作ったというお話。
内容としては上の裏ラベルからもわかるように「プティ・シラーを主体としたブレンド」です。
アメリカ固有品種めいているプティ・シラー、ジンファンデルに隠れがちですがシラー亜種として現存してるこの品種を主体に古樹の契約畑から買ったブドウを使ったブレンディングとのこと。
平均樹齢までは測れないですが、なるほどレーヴェンズウッドの主用品種ではないものの、古樹ポリシーはしっかりしている。
そんな逸品なのですが、果たしてこれは物珍しさだけなのでしょうか?

香り・味わい(最大10pt)
♥♥♥♥♥♥♥(たまに+♥)
バラエタルなだけに、意外と万人向けな強いワイン!
ヘリテージ=バラエタルな作りをしているだけに、安定感が意外とあるんですよ。
同時に、個性的な要素が少なくあってそれは残念なのですが、南ローヌおよびラングドック・ルーションだとか、イタリアの怪しいブレンディングとか、そうしたアイテムが好きな方にはたまらない一品となりそうです。
ギガル辺りとイメージが近いかな。

色は濃い目でほぼ透けない赤紫。クリムゾン寄りかなとも思うこともありますが、その辺りちょっと微妙なところを漂ってる気が。
香りにスパイス感とステーキの感じは出つつ、強い紫果実感。
バニラ感は微量でまたハーブ感などは見せていません。
カベルネ系ブドウが入っていないものの、カリニャンは多めのハズなのですが、そうした薬品っぽさとかどこか抜けた草加減などは無いのは他の強さでしょうか?
味わいもそのタッチが濃密でよりジンファンデル的な茶葉の感覚やパワフルめの果実、タニックさも濃厚で逆に酸味はあるが控えめなのがカリフォルニア。
シラー系のスパイス要素がほんのり効きつつ、スミレ系の花っぽさはバルベーラなどのイタリアっぽさ?
プーアル茶葉もありますネ。
アフターもそうした強めの果実感で終えていて、ダイナミックな品になっています。
流石に強いワインでした。3日経っても全体のパワフルさは健在。
ただ、繊細さや深みやナチュラリーさはないかなと思います。ダイナミックにまとまってはいるが・・・それも逆に面白いが、ビシージド=悩ましいという名前どおり評価が難しいワインですネ。
良くも悪くもパワフル系。全体の雰囲気や統率はあって、果実要素などのバランスはとられているものの、突出した感覚やテクスチャと専門家が書くような繊細さなり立体感?のような凄みまではないかなぁって。
アメリカ流なバラエティさや独特の古樹の魅力は結構あって、途中飽きそうになりつつも最終的には良かったんじゃないかと思っています。
ジャンプのハイキュー!が最近コンビプレー云々でフォローしあってる展開なんですがそれも思い出しました。それも3年生ズ的な。

田中サン!
またはホラー映画の中でも、妙にセクシー路線のお姉さんキャラっていたりしますが、そんな雰囲気。
そういうキャラってなんか濡れ場出しつつサラッと食われたりしますよネ。

コストパフォーマンス(最大5pt)
♥♥♥♥(好みによっては+♥)
ここもスッゴク悩ましい・・・・・・
決定打になるような、得点源が足りない感じなんですヨ。
トータルバランスはなかなか見どころがあって強い出来ですし、総合点は高くてもいいような、いやしかし器用貧乏でまるで北斗の拳ACの下位グループみたいな・・・・・・
しかしながら、ワイン通の方は是非一度お試しいただきたい雰囲気はもっています。
というのも、プティ・シラー主体のワインってのがそもそも日本ではレアだからです。
不吉の象徴であるカラス的にプレゼントにはよっぽど意味を持たせなければ(冒頭に書いたホラーっぽさとかをネ)不向きでしょう。
ワイン会ぐらいなら楽しんではもらえそうですが、是非ご自宅でステーキとガブガブ飲んじゃいましょう。

というわけで、レーヴェンズウッド・リミテッドリリース・ビシージドでした。
ソノマ周辺の古樹ワイン、という側面でも面白かったりするものの、味は結構クラシカルでシックな定番のワイン味。
この悩ましさ、是非梅雨の季節にお試しアレ。

各アメリカワイン主体のお店でも驚きの一品だったようで。


鍵にクマちゃんだかなんだかマスコットつけてる左のお姉さんにレオン君が「SHIT・・・(泣けてくるぜ」って言うシーンが最高!

| アメリカ | 23:37 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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パンクでファンキーってDQN!?な秀才が作る自然派3点盛り! オコタ・バレル フガジ&シェラック&センスオブコンプレッション

うぇるかむ!
自然派オーストラリアはラベルがカワイイのも特徴的だなぁと思います。
それだけ自由度が高いのが強み。例えば、こんな感じに。

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オコタ・バレル フガジ&シェラック&センスオブコンプレッション
昨日はアントンがオコだったような気がしたので、今日はオコタです(マジで)
*今回は結構前の試飲だったりします。

ラベル・ストーリー(最大5pt)
♥♥♥♥♥
ポケモンのモンスターボールを思い出す感じ
シンボルがやっぱりこのインポーターが入れてるだけあって、ワインらしさ0であります。
一体どのあたりにブドウ畑要素だとかがあるというのか。
日本入荷数が1000本以下なカルトオーストラリア自然派の割りと新しく入荷され始めたワイナリです。
調べると大体同じような文章で
「タラス・オコタというパンクとサーフィンを愛する実は秀才ワインメーカーがアメリカでひたすらサーフィンしまくるツアーしてる最中に地元でクラフトなワイン作りてぇなぁと始めたワイナリ」
事が書いてあります。
そりゃ同じような文章になります、殆ど同じ情報ソースしかありませんから。

で、今回はそれぞれ
「F**ked Up, Got Ambushed, Zipped In」というスラングの略語なフガジ・グルナッシュ。
現役のバンド名から名付けられてて、そんな事よりトルブレックやグリーノック・クリークの所有畑のすぐそばなのすごくネ?なシェラック・シラー。
プログレッシヴバンド、トゥールのメンバーと作ったというセンスオブコンプレッション(バラエタルでグルナッシュに少しのゲヴェルツ)。
であります。
さて、サクッと見ていきますよー。

香り・味わい(最大10pt)
フガジ:♥♥♥♥♥♥
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ナチュラリー系のグルナッシュの新定番?てな感じのゆるーい感じの自然派。
名前に比べると普通、というインポーター側の見解は極めて正しい気がします。
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番号がサインペンっぽさあったりして如何にも怪しいのに・・・・・・

色はピンクさが強いクリアな感じ。最初の写真でも思いっきりピンクぽかったでしょう?
香りにチェリッシャさといちぢく、フレッシュでみずみずしい果実感。かなり素直な印象。
味わいは自然派らしいクリアな飲みやすさがありつつも、滋養ある茶葉や漢方茶的健康茶?な雰囲気があります。
スルッと呑めて、ライチやチェリーやいちぢくなどの赤い皮の果実(そして中の身が白い)の感覚にそうした茶葉の不思議なヒントがのっかりつつ短めのフィニッシュ。
グルナッシュらしいといえばらしいのでしょうか。良くも悪くもジュース系にアルコールがのっかった感じなんですネ。
14%近いとは思えぬ軽さ。
この手の自然派を呑んだことが無い方には衝撃を受ける味かもしれません。
素直すぎる、とは思います。演奏的にはパンクロックですよこれは。3コードで引けるけどノリノリでウレウレです。


シェラック:♥♥♥♥♥♥
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この「8のフォントの整ってなさ」ったら逆にすごいですよ!
色は透けるが紫系。
香りからしてライトでフレッシュな紫果実のソース。
味わいはクリアなシラーの飲みやすさが出ているが、味がかなーりまばら。
ちょこちょこと花の香りが見え隠れしてイタリアっぽいなぁ?
と思っていたら何故かヴィオニエの皮を醸造段階で混ぜるというナゾすぎるテクニックを使っています。ナゾい。擬似的にアッサンブラージュ?
しかしそんなヴィオニエ効果は出ているみたいで、スミレなどの紫の花だけでなく白いユリなどの感じもところどころに感じられるんですネ。
ただ、それらが一貫性がなく飲み手にほんのり伝わってくる感じが何ともかんとも。
そういうハッキリしなさけげんがなるほど、ニルヴァーナを辺りを原点からくるオルタナティブ・ロックのバンド名を畑につけちゃう感覚なの・・・・・・かも?

センスオブコンプレッション:♥♥♥♥♥♥♥
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パンダさん!?
こちらは番号部分なかったと思います。二人で作ったんだよーとか書いてあるデスネ。
色はフガジと同じくルビー系のカラーをしています。
香りからして奇妙で、甘さやベースは赤果実やこれまたプーアル茶などの中国茶めいているんですが、それと相反して薬感が見えます。
ゲヴェルツ効果でしょうか・・・全体に甘い香りがベースとなっています。
味わいも同じく不思議と果実感やスッキリしたグルナッシュのスタイルが見えるのに、漢方系と異様に甘さの残るフィニッシュでその甘いなぁという雰囲気が長めに残ります。
とてつもなく自然なドクターペッパー?
スパイスもよくわからない感じにただよっており、そのクセ甘さが面白みがあってハーブ感などがちょっぴり見えたりと独特な世界観というか、好きな人はとても好みそうな味してるんですよネ。
おもしろ枠のワインです。逆にこれに面白み以上を感じられなければイマイチと切って捨てられそうなほど。
プログレロックの中でも、ドイツ系とかの方ですよねこの感じ?

コストパフォーマンス(最大5pt)
♥♥(自然派大好きなら+♥♥)
えー、総じて個人的には微妙な気してます(それが呑んでから随分経った理由、かな)。
同じようにある自然派ワイン勢と比べても、かなりクセがありライトな作りになっていて、自然派ワインマニアであれば大いに楽しめるのが事実です。
が、自分みたいな両刀どっちかというとやっぱ濃さとセクシーさが欲しい、みたいなタイプにはちょっと軽すぎそしてレア度と値段が見合わない感じ。
センス・オブ・コンプレションとかはかなり独自の世界観を見いだせますが、12000円のワインだと言われると「冒険しすぎやな」であり、それはフガジの5000円とシェラックの7000円も個人的にはそう思っちゃうかな。
プレゼントにはワインを知っている人か、ラベルのセンスをびしびし感じてくれうる若い世代向け。
試飲会などで使うにはとてもおもしろいし奇抜なので、そうしたネタワインとしては最高峰です。
ドハマリにはご用心。ここぐらいでしかこの味は、ありませんから。

というわけで、オコタ・バレルより3点紹介しました。
自然派の難しいのは「同じ派閥やチームでも、使ってる品種や土地や作り手(本人)によって差が出すぎて類型化はほぼ無理」なところでしょうか。
作りが面白すぎる。その結果、安定感はないのがこれらの弱点であり、今回の場合は私はちょっと躓いてしまったような形でしょうか。

珍しいことにワインダイヤモンズにしてはネットショップでまだ買えなくない。オージー自然派を知る意味では、大アリです。



ちなみにトゥールのメイナード・キーナンがコンプレッション監修。超有名ドコロです
[CD] トゥール/アンダートウ

[CD] トゥール/アンダートウ
価格:2,097円(税込、送料別)


ロックな若い子向け!(ただし、だりーなは高校生だから飲めない。無念)

| オーストラリア | 21:34 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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梅雨時にぴったりな可愛すぎるラベルが相変わらず! ルーシー・マルゴー・シラス2013

うぇるかむ!
すっかり梅雨って感じに私の住んでいる地域に急になっちゃったんですが、そんな次節にぴったりなカルトを。

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ルーシー・マルゴー・シラス2013
出ました、ワインダイヤモンズです。ここのところやったらカルト銘柄が続くなぁ・・・・・・

ラベル・ストーリー(最大5pt)
♥♥♥♥♥
かわいすぎる
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この絵本みたいなタッチみてくださいヨ。
ここだけ見て、誰が「ハゲたオッサン(最近妙に自称してるっぽい)が作ってる自然派ワインのエチケット」だなんて思うのでしょうか。
最高です!

そういうわけで、作り手はハゲのオッサンことアントン・ファン・ホッパー。
過去にも大絶賛いたしましたんで、従来からの当ブログの視聴者の方は割りとご存知かと思います。
ついでに書いておくと、このワインもう売ってる店なかろうネ!
今回はシラス、というタイプ。
シラーズの元々の言われが「シラス」だったという語源から名づけたタイプ。
また、このワインは弟子ワイナリーであるヤウマとの共同開発だったものです・・・・・・が!
今回は(から?)アントン・ファン・ホッパー本人のみが作ることとなりました。
その理由が「ヤウマのジェームスが他のワイン作る為に金を使い果たしから物理的に無理だった」というパンクロックすぎる話です。

アントン「俺さぁ、良く無計画だって言われんだけどあいつも大概だろ?なぁ?俺がハゲてるからかコラッ!これでもくらえッ!!オラッ!!!」(意訳)

アントン、オコなの?
そういう無駄に面白エピソードをかかえつつ、シラー100%の自然派筆頭の実力とは?

香り・味わい(最大10pt)
♥♥♥♥♥♥♥♥♥♥
やっぱアントンはこういう系の方が向いてる気がするなぁ・・・
個人的に自然派に求める
「良い意味での素直さ、果実の旨さと同時にアルコール飲料としてのセクシーさ、ワインならではのスパイスの官能」
はここにもあります。
ルーシーのワインは何回か(日本のブロガーの中では恐らく多い方。多分グーグルでぐぐってもうちのブログ早めに出るハズ)口にさせていただけてますが、概ねピノよりもメルロやシラーが主体の方が私は高く評価しており、そこはやっぱり好みなのかも。
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色は写真からはわかりづらいですがクリムゾンレッドで若々しい。
香りからしてジューシーな果実感が強く出ています。
ここら辺りまでは日本のワイナリでも見られるスタンスだったりするんですが、ここからが違う。
オージー自然派の場合、それでいてジビエ感や肉汁を思わせるセクシーなスパイスと肉厚さがあるんですよネ。
または、バニラ要素やシロッピーな感じがしない。
味わいは紫果実と赤果実のミックス。流石に紫果実のほうが多めで、ブルーベリー感や小さくプラムのようなジュース。
ミックス具合は結構細かくて、アセロラ感やベリーのタッチも見せますし毎回口にいれるたびに変化があるのもとてもナチュラルさを感じます。
香り通りに、中盤から終盤にかけてはオリエンタルさも含んだスパイスの要素。
シラーという品種らしく甘さとスパイスのフィニッシュ。余韻自体は長くはないんですが、じんわりと優しいアフターです。
決して強いパワフルなワインではないものの、果実はたくましいし自然な作りなのにかなり揺さぶってきます。
またはガブガブ呑んで疲れない。
ドリンピリティというワードをウリにしている所らしい相変わらずさとも言えますが、これはシラーの本質的な果実の良さに実はかなり迫っているように思います。
それは童話のように。実は強さをもっているものなのです。

コストパフォーマンス(最大5pt)
♥♥♥♥♥(買えれば)
これも買えたら連絡欲しいワインのひとつだよネ
というわけで、5000円アンダーの自然派ワインとしてはとにかく面白いと思います。
買った経験から言って、実は日持ちする(ボトル内変化が少ない)のでお家で買って呑む方が本来向いてるんですヨ。
ルーシー・マルゴーに対してそんなに良くないのでは?という向きもあるのですが、それは日数呑んだり出来るという自然派の特質性を見失っている可能性があるのではないかと。多分、このワインも日持ちする。
そこはドリンピリティ宣伝の弊害かもですね。これ、この季節にほんのり冷え目(15度くらい)でグラスに入れといてちびちびと雨を見ながら呑むワインです。

というわけで、ルーシーのシラス2012でした。
ほぼカルト状態になってるこのワイナリ、もといワインダイヤモンズのワイン。インポーター側でも
「カルトみたいになっててマニアだけが買ってるような状況にウンザリしている」
そうで、レストラン供給を増やしていく構えらしいのですが・・・・・・勿体無い!これら自然派の真骨頂はお家でゆったり癒やされるところなのに!!
と、私は思ったりします。むしろ、家庭供給を増やして欲しいワインナノデス。
作りや生産本数が少ない、故にどうにも値段自体はミドル価格帯なのにカルトになっているという現状、なんとかならぬモノか・・・うーむ。

そういうワケで、ネットではほぼ売ってないです。販売が行われてるの見たことがない。一部お店の店舗にこっそりあったりする現状。そういうのと噛み合わないスタイルなんですよねぇ・・・・・・

童謡って実は強いんですよ。

| オーストラリア | 21:22 | comments:2 | trackbacks:0 | TOP↑

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