冷蔵庫の中は賞味期限が切れたものでいっぱいで、ダイニングテーブルの上には食べかけのお菓子や、よく分からないチラシなどの紙などが散らかり放題だった。
床にも紙とかものが落ちている。
自分が捨てるために積んでおいたやつを、母親が汚く自分の部屋に置きなおしていた。
自分の母親はとても頭が悪く、絶望的にいらない物を捨てたり、片付けたりできないのだ。
京都に行く前は、自分のせいで散らかってると思ったがそんなことはなかった。
僕は3ヶ月以上この都内の家に入っていないのだ。
あからさまに母親のどうしようもない頭の悪さがにじみ出ているのだった。
他人のせいにするなという人がいるが、捨てたはずの早稲田大学の赤本が自分の部屋に汚く置いてあるのを見て、こりゃ遺伝で都の西北には行けるわけないなと絶望に近い感情を抱いた。
都内を散歩したがボアソナードタワーやリバティタワーが強制的に目に飛び込んできて絶望する。
今頃、日吉大学のハルカは男と遊んでいるのだろう。甘えてるのだろう。
東京の大学への仮面浪人などは好きにしろと神戸大学卒の父親に言われたが、学力面でも時間的にも立場的にも絶望しかなかった。
一瞬だけ、(古)都の西北の大学でも良いかと思ったが、月曜には北海道から来た頭の悪いふぞくなボンボンとかと授業を受けなければいけないと思うとやっぱりやめたいと思うのだ。
グリーン車で京都の家に戻ると天使が僕のベッドに横向きに寝ていた。
おそらく羽を傷めないように横向きに寝ているのだろう。
天使はとにかく綺麗だった。
寝相も良かった。
心に余裕があるのだろう。
天使は誰かに甘えられるのだ。
一生、無償で甘えることはできないと思うと死んじゃいたくすら思うのだった。
早稲田って慶應みたいに数学必須ではないんだし、国立併願でもないのに落ちてたら高卒で働くしか無いと思う