開運商法:腕輪購入させさらに「幸せが」1500万円詐取

毎日新聞 2015年06月16日 23時22分

 「お金を浄化すれば大金が入る」とうたい高額な祈とう料をだまし取ったとして、大阪府警は16日、大阪市北区の開運グッズ販売会社「幸来屋」社長、水野増満(ますみつ)容疑者(39)=大阪府守口市=ら3人を詐欺の疑いで逮捕した。3人は宗教団体をかたり、開運グッズと称したブレスレットの購入者に祈とうを行う霊感商法を展開していたとみられる。

 宗教団体の口座には、昨年1年間に約230人から計約6000万円の入金が確認された。府警は全国に被害者がいるとみて実態の解明を進める方針。

 他はいずれも幸来屋社員で自称宗教家、東岡剛(35)=兵庫県尼崎市=と韓国籍の自称僧侶、劉博一(34)=同=の両容疑者。神戸市の宗教団体・千寿院の関係者とみられる。

 逮捕容疑は共謀して今年3月、ブレスレットを購入した京都市の70代女性に「あなたには幸せが待っている。お金を浄化するから預けなさい」などと言い、1500万円を詐取したとされる。3人は容疑を否認しているという。

 府警生活経済課によると、水野容疑者らは「あなたは当選した」などとうたったチラシを郵送。電話があった相手に「素晴らしい運命の持ち主だ。普通は財閥や政治家しか選ばれない」と話し、約3000円のブレスレットの購入や電話による千寿院への開運相談を勧めていたとされる。

 千寿院では、祈とうの初期費用30万円を口座に振り込ませた上で、何度も開運相談に乗り、多額の現金を直接受け取る手口を繰り返していたとみられる。

 この事件を巡っては、大阪地検特捜部が昨年11月、別の開運グッズ販売会社「アドライン」(大阪市淀川区、解散)を巡る脱税事件で実質経営者の男らを逮捕した。水野容疑者は同社の元従業員で、府警は昨年12月に地検から情報提供を受けて捜査を進めていた。

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