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労働者派遣法改正案が衆院で可決 参院へ
6月19日 13時48分

労働者派遣法改正案が衆院で可決 参院へ
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後半国会の焦点の1つである労働者派遣法の改正案は19日の衆議院本会議で採決が行われ、自民・公明両党と次世代の党などの賛成多数で可決され、参議院に送られました。一方、民主党などは「採決を急ぐ理由はなく強引だ」などと反発し、改正案の採決が行われる前に本会議を退席しました。
派遣労働の期間制限を一部撤廃する労働者派遣法の改正案は、19日午前、衆議院厚生労働委員会で安倍総理大臣が出席して質疑が行われました。
この中で、安倍総理大臣は「一般に派遣労働という働き方は雇用の安定やキャリア形成が図られにくい面がある。今回の改正案は派遣労働の道を選ぶ人には待遇を改善し、正社員の道を希望する人には道を開いていくためのものだ」と述べ、改正案の意義を強調しました。
このあと、改正案は、自民・公明両党の賛成多数で可決され、午後の衆議院本会議に緊急上程されました。
これに対し、民主党・社民党・生活の党と山本太郎となかまたちは「採決を急ぐ理由はなく、緊急上程は強引だ」などと反発して退席し、改正案は討論に続いて採決が行われ、自民・公明両党と次世代の党などの賛成多数で可決され、参議院に送られました。
労働者派遣法の改正案は、派遣労働を巡って、一部の業務を除き、現在は最長で3年までとなっている派遣期間の制限を撤廃する一方で、1人の派遣労働者が企業の同じ部署で働ける期間を3年に制限するなどとしたものです。
一方、同じ仕事であれば正社員と同じ賃金を得られる「同一労働・同一賃金」を推進するための法案を自民・公明両党と維新の党が共同で修正した法案の採決も行われ、民主党などが退席したなか、自民・公明両党と維新の党、次世代の党などの賛成多数で可決され、参議院に送られました。

派遣労働の歴史と現状

派遣労働は、一時的、臨時的な雇用形態として昭和60年に制定された労働者派遣法で秘書や通訳など専門業務に限って認められました。
しかし、その後、企業のニーズに合わせて対象業務が広げられ、平成15年には雇用への影響が大きいとして認められてこなかった製造業への派遣が解禁され、急速に拡大します。
ピークの平成20年には派遣労働者はおよそ200万人に達しましたが、リーマンショックによる景気の悪化でいわゆる「派遣切り」が相次ぎ、仕事や住まいを失った労働者が東京・日比谷公園の「年越し派遣村」にあふれるなど社会問題となりました。
その後、派遣労働者の数は減る傾向が続き、去年6月の時点では126万人となっています。
厚生労働省が平成24年に派遣会社を通して行った調査では、派遣労働者のうち「正社員として働きたい」という人が43%に上った一方、「今のままの働き方がよい」という人も43%いました。

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