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【千葉】

<千葉から語り継ぐ戦争>沖縄の声 大学生が朗読 高校生の手紙「オスプレイの恐怖」

イベントの打ち合わせをする小林さん(右)ら=柏市で

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 一九四五年の沖縄戦で日本軍の組織的抵抗が終わったとされる六月二十三日の沖縄県の「慰霊の日」に、戦争を語り継ぐイベント「歌と踊りと朗読の会」が柏市内で開かれる。戦後七十年の今年は朗読で、米軍普天間(ふてんま)飛行場(宜野湾(ぎのわん)市)の移転が問題となっている名護市辺野古をテーマに取り上げた。柏の大学生が、沖縄の高校生の手紙を読み上げる。 (三輪喜人)

 イベントは、柏市民らでつくる実行委員会が二〇一〇年から開催。首都圏で沖縄戦をテーマにした朗読会は少なく、絵本の朗読や琉球舞踊、沖縄民謡の演奏などで、沖縄戦を伝えてきた。

 今回は、昨年二月に沖縄県に住む高校生五人が、オバマ米大統領とケネディ駐日米大使に送った手紙を朗読する。

 手紙では、垂直離着陸輸送機「オスプレイ」が、ごう音とともに頭の上を低空飛行し、墜落の恐怖で身動きが取れなくなった経験や、県民の基地反対の意思を紹介。オバマ大統領らに、生き物の宝庫である名護市辺野古の海を見て、「県民の生の声を聞いて」と結んでいる。

 沖縄の地元紙にも掲載され、手紙を書いた生徒たちの「私たち高校生の声に耳を傾けてほしい」という思いが添えられていた。

 これを読んで感動した実行委の小林正幸さん(66)が、朗読の題材にすることを決め、若者の声で届けようと大学生二人に依頼した。

 その一人、柏市の大学生吉田侑世(ゆきよ)さん(18)は、高校生の言葉に共感。「米軍機がいつ落ちてくるかわからない不安は相当なものだと思う。しっかり練習して、その気持ちを伝えたい」と意気込む。

 小林さんは、平和を伝えるため、辺野古について語らないといけないと思ってきた。「戦争がなければ、辺野古の問題もなかった。戦争はやめようという趣旨」と強調する。

 首都圏では沖縄戦の関心が低いといい、今回の若者の朗読を通じて、小林さんは「新しい世代にアピールして、遠い人ごとではなく、同じ国民として辺野古を考えたい」と話した。

 イベントは二十三日午後二時と午後六時半、アミュゼ柏。沖縄戦で失われたものとして、沖縄の島言葉や古典芸能「組踊(くみおどり)」なども紹介する。入場料は三百円。問い合わせは小林さん=電080(3477)8683=へ。 

 

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