【社説】朴大統領にサムスン病院を責める資格はあるのか

 感染者が治療を受けた病院のリストなど、関連する情報を国が早期に公表しなかったことも、今回の感染拡大の大きな原因の一つだ。ところが朴大統領は政府が情報の公開をためらったことに対する反省や謝罪を一切していないにもかかわらず、サムスン・ソウル病院に対しては「感染拡大と関連する内容を透明な形で公表せよ」と命じた。もちろん国民も他の病院もサムスン・ソウル病院に対していくらでも責任を追及することも、また非難することもできる。しかし大統領府は何を理由にサムスン・ソウル病院をここまで責め立てることができるのか、この点に関しては疑問に感じざるを得ない。

 大統領府はMERSの感染が一気に拡大しつつあった今月14日、朴大統領が東大門市場を視察したことと、その際に市民が「本当に朴大統領が来たのか、すごい」などと語り合いながら集まり、大統領の後を追い一緒に写真に収まって喜ぶ様子や、店の従業員たちが大統領に声援を送る様子が記載された報道資料を配付した。また今週に入ってからもいまだに患者と隔離者の数が増加し、国民の間で恐怖が残っているにもかかわらず、大統領は「日常に戻らねばならない」という言葉を何度も繰り返していると説明した。大統領府が国民の思いや現場の状況を本当に把握できているか疑問視する声が今なお絶えないのは、このような形で行われる大統領府の広報活動が、どこかずれていると感じざるを得ないからだ。

前のページ 1 | 2 次のページ
<記事、写真、画像の無断転載を禁じます。 Copyright (c) The Chosun Ilbo & Chosunonline.com>
関連ニュース