英語力:中3「読む」「書く」「聞く」「話す」全国テスト
毎日新聞 2015年06月05日 12時37分
文部科学省は5日、中高生の「英語力向上推進プラン」を発表した。中学3年生全員を対象に、「読む」「書く」「聞く」「話す」の4技能をみる全国テストを導入し、各都道府県が生徒と教員の英語力について数値目標を設定、公表することなどが柱。高校3年生を対象に文科省が昨年初めて実施した英語力調査の結果が低調だったこともあって、てこ入れする狙いがある。全国テストは2019年度実施を目指す。
国の教育振興基本計画(13年6月閣議決定)では、17年度までに、中学3年で英検3級程度以上、高校3年で準2級〜2級程度以上の英語力を持つ生徒の割合がいずれも5割に達することを目標に掲げている。しかし、文科省の調査ではここ数年いずれも約3割と横ばいで目標にほど遠い。また、文科省が昨年、高校3年生約7万人を対象に初めて実施した英語力調査で、4技能の平均点はいずれも「中学レベル」だった。
推進プランによると、新たな全国テストは19年度に導入し、複数年に1回実施する予定。毎年4月に中学3年生を対象に実施している全国学力テストとは別日程で実施する。難易度など詳細な内容は今後、専門家会議で検討する。
さらに、各都道府県には来年度から、教員や生徒の英語力に関する数値目標や教員の研修計画などを盛り込んだ「改善プラン」を作ってもらい、毎年その達成度を公表してもらう。
このほか、文科省が実施している生徒の英語力についての調査結果を都道府県別に公表する。教員の英語力については既に13年度から都道府県別に公表しており、今後も継続する。文科省国際教育課の担当者は「英語力の向上には教員の指導力が重要になる。都道府県ごとに目標を立てて取り組んでほしい」と話している。【三木陽介】
◇中高生の英語力向上推進プランの内容
・中学3年生の全員を対象に全国テストを実施
・各都道府県で改善プランを作り公表
・都道府県別の生徒、教員の英語力を公表