「完全養殖」の本まぐろが、おいしいと評判を集めている。高級なブランドまぐろにも引けをとらない、鮮度の高い生本まぐろを家庭の食卓で楽しめるとあって、店頭でも人気商品となっている。
数量限定で発売されている「奄美うまれ生本まぐろ」は、イオンのプライベートブランド(PB)である「トップバリュ グリーンアイ」の商品。PBというと低価格路線のイメージがあるが、グリーンアイは品質管理や安全・安心、環境への配慮が特徴になっている。
肝心の味はどうか。最上級とされるクロマグロ(本まぐろ)を、最先端の徹底した品質管理によって、刺し身でそのまま食べるのがおいしい商品にした。大トロは口の中で脂がふわっと広がり、とろけるような柔らかさ。中トロはコクがあるのに爽やかな後味で、赤身は濃厚な味わいかつ食感もしっかりしている。一度も冷凍せずに生の状態で店舗に並んでおり、鮮度の高さも大きな魅力の一つだ。
産地は、海流が激しく酸素の豊かな鹿児島県・奄美大島。美しい海で3年以上かけて育った魚を、一匹ずつ丁寧に釣り上げ、2分以内で生け締め・血抜き処理を行う。低温管理で生のまま店舗まで保管・配送するなど、水揚げ時の新鮮さを追求した。
最高級の本まぐろを届けるために、生産者も懸命に取り組んでいる。安定した成長に不可欠といわれる12度以上の水温で、餌を均等にいき渡るようにこだわり、産卵の時期は昼夜を問わず見守り続けるという。「まぐろは頭のいい魚で、それぞれに個性がある。特に完全養殖のまぐろは神経質なので、日々チェックを行って、手塩にかけて育てている」と養殖を行う奄美養魚の岡野浩也生産部長は話す。
そもそも、まぐろの養殖といえば、これまでは天然のクロマグロの稚魚を捕ってきて育てるのが一般的だった。養殖まぐろのみで産卵・育成させる完全養殖は、2002年に国内で世界初の成功を果たして以降も、商業ベースでは難しいとされてきた。卵からふ化した魚が生き残って成長する確率を上げることにより、初めて全国規模で販売できるレベルにまで進歩。絶滅が危惧される天然まぐろという資源を減らさずに、半永久的に世代交代を続けるサイクルを確立しつつある。
新鮮なまぐろを家庭でも食べてもらうために。大切な水産資源を守りながら日本食文化を次世代へと受け継ぐために。様々な人々の思いが詰まった“念願の本まぐろ”だからこそ、格別な味わいと鮮度を食卓に届けることが実現できたのかもしれない。
放映中のテレビCMでは、日本を代表するすしの名店「銀座久兵衛」の二代目店主、今田洋輔氏が「触っただけでわかりますよ、いいまぐろは」と評して、本まぐろをさばくシーンが印象的だ。20日の朝日新聞朝刊(関東・関西エリアの一部)に折り込まれた別刷り「広告特集」では、幅160cmの全面を使って、原寸大のまぐろの写真が掲載。さらに注目度も高まりそうだ。
「イオン」「ダイエー」「マックスバリュ」などで販売。毎日食べるようなものではないからこそ、“ごちそうまぐろ”を父の日のプレゼントとして、あるいは夏のボーナスで家族への感謝の気持ちを込めて、贈るというのも楽しいだろう。