長江転覆:423人依然不明 救助難航、いらだつ家族

毎日新聞 2015年06月03日 11時41分(最終更新 06月03日 12時49分)

転覆した船(手前)の捜索活動を続ける救助隊員ら=湖北省で3日、ロイター
転覆した船(手前)の捜索活動を続ける救助隊員ら=湖北省で3日、ロイター

 【荊州(けいしゅう)(中国湖北省)林哲平、北京・工藤哲】中国湖北省荊州市の長江で大型客船「東方之星」(乗客・乗員456人)が転覆した事故で、中国当局は徹夜の救助活動を続けた。中国メディアによると、これまでに15人の生存と18人の死亡が確認された。残る423人は、依然として行方不明となっている。

 地震などで生き埋めになった場合には発生から72時間で生存率が著しく下がるとされるが、「水上ではさらに短くなる」(国営中央テレビ)とも指摘される。事故から30時間以上が過ぎる中、現場では焦燥感が強くなっている。

 捜索は、悪天候に加えて、急な流れと濁った水に阻まれて難航している。陣頭指揮をとる李克強首相は2日夜、現場に「一分一秒を争い、一刻も休むな」と指示した。当局は、軍兵士と武装警察の計4600人以上を投入する一方、遺体の身元確認に向けてDNA鑑定の専門家を現場に送った。

 現場に駆け付けた行方不明者の家族は、いらだちを募らせている。現場に向かう道路は約5キロ手前で通行止めになり、安否を気遣って駆けつけた乗客の家族が「少しでも近くで見守らせてほしい」と交通警官に詰め寄っていた。

 両親が行方不明になっている江蘇省常州市の女性は、インターネットで事故を知った。両親が参加した旅行を企画した旅行会社や政府の関係部門に情報を聞いてもたらい回しにされ、2日夜に現地にかけつけた。弟の家族が1日に両親に電話した時には船旅の様子を楽しげに話していたが、夜に電話した際にはつながらず、「何があったのか」と気をもんでいたという。

 「救助の妨げにならないように、遠くからでいいから見守らせてほしい」。女性は、無言で立ち尽くす警察官の前で涙声で何度も繰り返した。

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