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誰もがアイドル育成 商店主や学者ら運営の実情は

朝日新聞デジタル 6月20日(土)18時52分配信

 AKB48が身近なアイドルとしてブレークして以来、誰もがアイドルを目指せる時代になったが、一方でその気になれば誰もがアイドルをプロデュースできる時代にもなった。アイドルグループを育成する街の商店主、社会学者、広告会社員らの実情は――。

【写真】夢みるアドレセンス

 東京都江戸川区で米穀店を営む神田泰宏さん(42)は、江戸川区のご当地アイドル「EDOist」を手がける。地元商店街を応援する手段として着目した。昨年夏にインターネットなどでメンバーの募集を始めたが、応募者はわずか6人。それでも何とかメンバーをそろえた。

 楽曲は地元の音楽専門学校に依頼し、学生が創作した中から優秀な作品を使う。振り付けはメンバー自身が考え、宣伝はユーチューブやツイッターを使いコストを削減。それでも、ダンスレッスンやデビューCD500枚の製作費用など、神田さんの負担は少なくない。

 現在、メンバーは4人で、3期生を募集中。江戸川区内88カ所でのライブを実施するなど活動の幅を広げている。「商店街のイベントで、声援を送られることもあり、手応えを感じています。当面の目標は江戸川区の公認アイドルになることです。そしていつかは全国区のアイドルに育てたい」

 地域おこし団体、ブライダル関連企業、大学生……。アイドルプロデュースが盛んなのは、アイドルブームで社会の認知度が高まったうえ、デジタルやインターネット技術の進歩で楽曲の制作や宣伝が容易になり、コストが大幅に下がったからだ。「ゼロからでも始められるアイドル運営」(コアマガジン)の共著者でアイドルグループ「ゆるめるモ!」を運営する音楽ライターの田家大知(たけたいち)さんは、「副業と割り切れば、30人も固定ファンがいればアイドルは成り立つ」と言う。ただ、マネジメントの難しさは今も変わらない。「メンバーの脱退リスクが大きい。生身の女の子と本気で向き合い、メンバーと運営双方が情熱をもたないと続けられない仕事です」

 「前田敦子はキリストを超えた」などの著書がある社会学者の濱野智史さん(34)はアイドルグーループ「PIP」(Platonics Idol Platform)を運営する。大きな目的は「アイドルのセカンドキャリア」を確立することだ。将来の保証がないアイドルの世界を変革しようと思い立った。「たとえば、アイドルを経験したメンバーがアイドルプロデューサーに転身する。ファンへのおもてなしを学び、将来は介護サービス業に進むといったコースも考えられます」。オーディションでは歌唱審査のほか、「人生で本気になったこと」をテーマに作文審査も課した。

朝日新聞社

最終更新:6月20日(土)18時52分

朝日新聞デジタル

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