時代の正体<90> 日本会議を追う(下)

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日本会議の取り組みや自身の歴史観を説明する横山さん=横浜市青葉区

温度差

 地方議連の所属議員の中には冷めた声があるのも確かだ。

 「日本会議の主張は偏っている。まるで共産党の主張を裏返しているかのよう。憲法や安全保障についても、地域の人たちの議論はまったく盛り上がっていない」

 そう明かすのは自民党の県内地方議員。日本会議の会員からは勉強会の開催など、取り組みの強化が求められているというが、「憲法改正については正直、国政の話だという思いがある」。名前は連ねているものの、集会には足が遠のいているという。

 胸にあるのは「なぜ今なのか」という違和感。「特に9条は慎重に扱うべきだと個人的に思っている。憲法改正の話を支援者の前ですれば、無反応か、もしくは引かれてしまう。当然、選挙にも影響がある」

 認識の乖離(かいり)、その温度差への戸惑いをよそに、日本会議は地方から胎動を呼び起こそうと働き掛けを強めている。

 〈皆さん、制定以来70年ぶりに憲法改正の大きな機運が生まれています〉
 日本会議の三好達・前会長も名を連ねる「美しい日本の憲法をつくる国民の会」の共同代表の一人でジャーナリストの櫻井よしこさんは1千万人署名への賛同を呼び掛けるチラシにそんな一文を寄せた。

 その地方組織「憲法改正を実現する神奈川県民の会」は全国に先駆け、14年11月1日に設立されている。

 〈神奈川憲法フォーラムに出席させて頂き、神奈川県下の市議会議員を代表してご挨拶(あいさつ)申し上げました〉
 憲法記念日の3日、横浜市議の横山さんのフェイスブックには、県民の会主催の集会で日の丸を背に壇上に立つ写真が早速アップされていた。

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