(鶴丸あや)やっぱり外の風は気持ちいいわねえ。
(鶴丸りん)でも明日も相当暑くなりそう。
もう考えるだけで憂鬱。
何ひ弱な事言ってんのよ。
猛暑も楽しく乗り切らなくっちゃ。
このうちわ片手に冷えたビールをキュッ!アッハー!もう…考えただけで幸せ〜。
(りん)1本5000円?大丈夫!家計には響きません!ポイントカード?うん!このお店もねえ加盟店なの。
ただ今4500ポイント。
5000ポイントまであと一息…!というわけで夕食の買い物も加盟店巡りしましょう。
じゃあまた。
さあ…!おまけ欲しがる子供みたい…。
(吠える声)これキッキ!すんまへんなあいっつもいっつも…。
(清水真一)ワン!今日はお休みどすか?会社は昨日で定年ですわ。
そりゃそりゃご苦労さんどした。
(チャイム)どうしました?
(大西昌恵)あっ清水さん!今買い物から帰ってきたらおたくの玄関でなんか倒れるような音がして…。
え?おい…。
(昌恵)あぁ!あぁ…!
(荒い息)
(救急隊員)よし!
(栗原美波)お願いします。
はい!
(救急車のサイレン)
(カメラのシャッター音)
(カメラのシャッター音)
(成増清剛)男は宅配便を装って押し入ってきたんですね。
(清水)家内にナイフを突きつけ金を出せと脅したそうです。
(池内弘二)栗原どうだった?所持していた免許証から倒れていた男の身元がわかりました。
秦野満40歳。
後頭部を殴打されておりまだ意識が戻ってません。
後頭部?
(池内)成増さん。
奥さんは身の危険を感じて夢中でこの消火器をこう…振り回した。
で多分そういう事に。
消火器はどこにあったんだ?今松井がいるとこです。
(松井刑事)ここです。
それから犯人はマスクもしてなかったそうなんですよ。
男の顔に本当に見覚えはないんですか?見た事もない男です。
奥さんも?
(清水和子)あっはい…。
清水和子正当防衛を主張してるんですか?
(高原純之介)「強盗から必死に身を守ろうとした」…。
そう繰り返しているらしい。
しかし後頭部を殴ったとなると…。
正当防衛と認めるのは難しいかもしれませんねえ。
とにかくあやちゃんこの事件は君に任せる!わかりました!
(太田勇一)はっきり答えるように。
正当防衛だと思います。
ではあなたの供述どおりに事件を再現してみましょう。
私が秦野満だとします。
(斉藤加奈子)私があなたです。
まず7月20日の午後6時過ぎチャイムが鳴りリビングにいたあなたがインターホンで答えた。
ピンポーン。
(チャイム)
(加奈子)はい!お荷物をお届けに参りました。
(加奈子)はい!ガチャッ。
あなたはサンダルを履き玄関に下りチェーンと鍵を外した。
(加奈子)ガチャッ!ドアを開けると同時に秦野満が押し入りあなたを背後から取り押さえて鍵を閉めた。
あなたは必死に秦野をふりほどき…。
あっこれ…駄目!これ無理です。
これ…。
この状態でどうやって消火器を取りに行けたんですか?足を踏んだんです!あの男の足を…!
(和子)そしたらあの男手を離して…。
とするとその間秦野はどうしてたんでしょう?廊下に残っていたのはあなたのサンダルの跡だけで秦野の靴跡はなかった。
つまりあなたが消火器を取りに行く間秦野はあなたを追いかけもせず玄関にいた事になるんですよ?それだけじゃありません。
太田さん。
玄関の床につま先がドアのほうに向いた秦野の靴跡が一対だけくっきりと残ってました。
ひょっとしてあなたが消火器を取りに行くまでの間秦野はあんなふうにあなたに背を向けてドアのそばに立っていたんじゃありませんか?違います!じゃあどういう状況だったんですか?あの男に捕まった時私悲鳴を上げたんです。
そしたらあの男私を突き放して…逃げようとしました。
でも鍵を開けるのに手間取って…。
その隙に私夢中で消火器をつかんで…!逃げようとした秦野の頭に後ろから振り下ろした?えい。
あぁ…!はい。
清水さん。
たとえ彼が強盗だとしてもその行為は正当防衛とは認められないんですよ。
はい…すいません。
怖かったんです…!ナイフを持った男が急に入ってきて…き…気が動転して…。
さすがは鶴丸検事!見事な取り調べでした。
完璧なる傷害罪。
ちゃっちゃと起訴しちゃいましょう。
彼女何か別の危険を感じてたのかしらね。
私もそう思いました!何かまだ隠してるのかもしれませんよ。
大体ドアの鍵を開けるのに手間取るっておかしいと思いませんか?寝ぼけた事言ってんじゃない。
清水和子はたった今自分の罪を認めたんだぞ。
なーんか気になるのよねえこの事件。
私ちょっと中京署行ってきます。
(太田)この炎天下に検事が出掛ける必要ありません。
年を考えてください…。
脱水症になりますよ。
太田さん。
さぼって食堂行く時はエアコン消してね。
節電ねっ!!さぼって…。
告げ口したな?お前。
このおしゃべりパンダ!
(エアコンのスイッチ音)お前史上最低の部下だよ。
いってきます。
いってらっしゃい。
…バカ野郎!俺は行かないぞ!脱水症なっちまえ。
リモコン返せよ…。
お隣の奥さん清水和子の悲鳴聞いてないのよね?聞いたのはな何かが倒れたような音だけだ。
やっぱり清水和子の供述は嘘。
それに清水和子は秦野の事をなあ俺…多分知ってると思うんだよ。
私もそう思う。
いやいや!いや…。
秦野満は失業中であちこちのネットカフェを寝泊まりしてるような男ですよ。
家庭の主婦と…なあ?接点があるように思えない…。
いいから!清水和子と秦野の事もう一度亭主に確認してこいよ。
それと事件当日亭主がどこに行ってかもだ。
定年退職後1日目だからあいさつ回りとか気晴らしに外出してたのかも。
女房に行き先も言ってなかったらしいんだよな。
あっ行き先!まだ確認してねえのか?事件とは関係ないと思いまして…。
関係あるかないかはあなたが決める事じゃないでしょ。
池内さん清水和子のご主人に会いに行くわよ。
私ちょっとナイフの入手先とか成増さんの…。
それは私に任せてください。
フットワークのいる捜査は得意なんですよ。
シュッシュッシュ!シュッシュ…シュッシュッ!おほっかっこいい!逃げ足の速いところは池内刑事の直伝?はい…。
行くわよ!池内さん!はいいってらっしゃーい!いってらっしゃいませ!いってらっしゃい…。
よしトレーニングだ!おいワンツー!これ鶴丸のババアだと思ってほら行け…。
いいから!もっと…よし!
(清水)どうして家内は帰してもらえないんですか?それはですね…。
事件当日ご主人は朝から外出なさってたそうですね。
どちらへ?ああ…退職後の保険の手続きとかいろいろありまして…。
失礼ですがその手続きを証明するものありますか?私を疑ってるんですか?いやそういう事ではなくて…。
手続きの事を奥様にも言わずに出掛けられたんですよね?
(池内)検事…奥さんに言ったかどうかなんて関係ないじゃないですか。
ご主人のお気持ちはお察しします。
でも今回の事件はまだまだわからないところがあって。
もう少し…。
あら?あのお写真はご主人様のご両親ですか?
(清水)そうですが…それがなんだってんですか?いえ…。
(池内)30年経った夫婦なんてあんなもんですよ。
いちいち行き先を女房には言いませんよ。
あら!私の夫の章ちゃんはちゃんと言っていくわよ。
そうですよー。
奥さんにとってはそんなの寂しすぎま…。
あぁー!!なんだよ…。
奥さん寂しくて浮気してたんじゃないですか?つまりそのご主人が留守中に秦野と…。
ちょっとあんた…!いや…!ありかもしれませんよ。
いい年をしたおばさんが金で男を誘う…。
(咳払い)いやいやよくある話ですから。
ところがやって来た秦野が亭主にバラすと言って大金を要求してきた。
それで争いになって消火器で…。
(池内・加奈子)ガンッ…!その妄想却下!根拠はなんですか?清水和子の結婚指輪よ!18金だったと思うけどすっかり色あせて光沢がなくなってたわ。
あれは掃除や洗濯で洗剤にまみれたせいだわ。
あの手は男を引き込むような手じゃない。
あの手は30年間きちんと家事をこなしてきた主婦の手よ。
これ主婦のカン!はい!はい…。
ただし秦野に万一の事があったら清水和子は傷害致死罪です。
甘い事は言ってられませんよ。
じゃあ私大事な捜査が残ってるんでこれで失礼します。
すいません!あの…清水さんのお隣のお部屋の方ですね?悲鳴?そんなもん聞いてませんけど?そうですか…。
あのーここだけの話ですけどね。
はい。
あのご夫婦最近様子がおかしかったんですよ。
せっかくマイホームが出来たいうのに浮かん顔しはって…。
マイホーム!?清水さんのご主人ずーっと転勤の繰り返しで…。
そのたんびに奥さんついて行かはったん?うん…子供もいなかったし身軽だったから。
おかげで30年間賃貸暮らし…。
それがご主人の定年前に大原に土地買わはってついひと月前念願のマイホームが完成したんです。
大原に…。
(昌恵)そうやあそやのに一向に引っ越す気配がないし…。
もしかしたら奥さん離婚考えてはったんやないやろか?離婚!?そう言うたら…事件のあった日清水さんの奥さんが大原行きのバスに乗るのを見たんです。
午後の2時頃やったやろか…。
このまま真っ直ぐですね。
あらっ検事…ここ三千院門前ですね。
あっ!あっあっ…大原梅野町142!あっここですここです!すてき…!こんなマイホームが出来たんなら離婚なんて絶対ありえませんよね。
あの日…事件の前に清水和子はここへ何をしに来たのかしら?
(鳥の鳴き声)これ…男物の箸?まさかご主人が使ってた箸を清水和子がへし折ったんじゃないですよね?だってこれまだ新品よ。
それに…これどこかの専門店であつらえたものじゃないかな?とにかくこれ持って行って調べてみて。
わかりました。
(ため息)刑事さんちょっとこちらに。
はい。
(携帯電話)はい鶴丸。
え?清水さんのご主人が!?秦野のいるICUに押し入ろうとしたらしいんだ…。
どうして!?清水さん…。
検事。
あなたたちに話すことは何もありません。
ずっとこの調子なんです。
失礼します。
成増さん…。
秦野の意識が…戻ったそうだ。
(池内)これで全てはっきりしますね。
今ほっとしてため息つきましたよね?秦野の容体が悪くなれば奥さんの罪が重くなる…。
それが気になって病院へ?家内の言う事を信じてやってください。
家内は必死に自分の身を守ろうとしただけなんです。
お願いします。
(秦野満)あの女俺を誘ってきたんですよ…。
けど亭主が出張なんて嘘だったんです。
あの女俺にナイフと軍手を差し出してなんて言ったと思います?なんて言ったんだ?「亭主を殺してくれ」って。
ふ〜ん。
しかし救急隊が駆けつけた時あんたは軍手をはめてた。
そばにはナイフも落ちてたんだぞ。
俺は逃げようとしただけです!清水和子の偽装かもしれませんねえ。
殴ったあとで秦野の手に軍手をはめナイフを置いた。
嘘なんか言ってません。
四条通のフリーマウスっていうネットカフェで聞いてみてください。
(秦野)店員が俺とあの女を見てるはずです。
この2人なんですが…。
見かけましたよ。
隣同士の席に座ってました。
間違いありませんか?そんなバカな事あるわけないでしょう!?ちゃんとウラ取ったの?ネットカフェの従業員は2人を覚えていた。
しかも…清水和子のほうから秦野に声をかけたそうだ。
わかった。
秦野はご主人を殺害するようあなたに頼まれたと供述しています。
嘘です!私はそんな事…!ネットカフェには行ったんですね?そしてそこで秦野に出会った。
行ってません。
あの男の事は本当に知らなかったんです…!
(ため息)鶴丸検事。
池内刑事に自信満々でおっしゃったそうですね。
和子の手は30年間洗剤にまみれた主婦の手よ。
浮気する女の手なんかじゃない!それがまさか夫殺しを企てた悪妻の手だったとは…!清水和子の表情を見てて気づかなかったの!?秦野の供述は彼女にとって思いがけないものだったのよ。
だからあんなに驚いた。
つまり秦野の言ってる事は嘘!真実は別にある。
しかも彼女はその事を必死に隠そうとしてる。
これ主婦のカン!考えすぎです。
清水和子はさっさと起訴すべきです。
検事!あっ…!お箸を作ったお店わかりました。
このお店です。
まあ…斉藤!あんたが雨に打たれた天使に見える。
箸ってなんですか?聞いてませんよ。
天使の私が説明しまーす。
ちょっと離せ…。
濡れ…濡れてる…。
これ天使の汗。
天使の汗だって…。
暑い…!!ご主人の手の寸法箸の握り方を細かく説明しはって。
(和子)支払いはポイントでも…?ああ…もちろん構いまへん。
主人に贈る物を主人が汗水流したお金で買うわけにはいかないんで…。
今日日そんな事言わはる奥さんもいやはるんですなあ!本当に…。
けどなんでその箸がこんな事に…?
(柿野たまこ)マンデー飲むでー。
梅ジュース!月曜日の朝飲めば主婦パワーが回復です。
ちょっと…何?何?月曜日の朝飲むジュースってどんな?
(桜井麗子)主婦にとって一番疲れんのは土日でしょう。
(吉川香織)そうそう!一日中亭主がいててもうクタクタやん。
(漆原さやか)で亭主が出勤したあとこれをグイッと飲む!私にはわかんなーい。
あやさんだって章ちゃ〜ん章ちゃ〜んなんて言ってんの今のうちですよねえ。
お互い定年になって毎日一緒にいたらうんざりしますよ!おあいにくさま。
うちの章ちゃんは全然見飽きない顔だから…。
出たー大のろけ〜!とりあえず私にも1杯。
せやけどな不満はためへんほうがええで。
うちらもさっきネットカフェ行ってきて腹の中にたまったマグマをブワーッふき出してきたとこ。
ネットカフェ?主婦には縁がないと思うやろ?これが楽しい…!あそこやったら亭主に内緒の書き込みも出来るもんなあ。
有名なサイトがあんのよ。
悩んでる事を書き込むとそれに詳しい人がズバリ回答してくれるの。
サイト?「相談中のお悩み」…と。
「子供のいない五十代の専業主婦…」これかな?この書き込みのユーザーIDを調べたところ清水和子がネットカフェで使ったパソコンのものとわかりました。
「子供のいない五十代の専業主婦です」「定年退職した夫から突然離婚を切り出されました」
(和子の声)岡山でひとり暮らしをしている父親の介護がしたい。
それが離婚の理由です。
介護がしたいというのは本当だと思います。
でもどうして離婚なのか?主人の気持ちがわかりません。
ひょっとして…動機はそれじゃないか?は?亭主に尽くしてきた揚げ句離婚を言い渡された。
尽くしてきた分憎しみは倍になる。
箸をへし折るだけじゃ済まなくて秦野を使って亭主を…。
(物音)池内さん!?ちょっと何してるの?こんなとこで。
ちょっとストップストップ…。
見てください。
靴跡?大きさからいって男。
それにまだ新しいです。
鑑識には今連絡しました。
清水和子はあそこで箸を折っていた。
ですよね?ええ。
何か手がかりがあるんじゃないかと思ってこの辺一帯探し回ってたんですけどもね…。
おかげでやぶ蚊の餌食ですよ。
まただ…クソッ!ああそれからもう一つ。
この大原に家を建てる事を決めて段取りを進めたのは旦那じゃなくて彼女のほうだったそうです。
えっ?池内さん…。
ご主人の定年の日あなたはこの箸をプレゼントするつもりだった。
でもその翌日あなたは大原の家でこの箸を折った。
実は私もポイントを貯めてる主婦です。
ご主人が汗水垂らして得たお金を大切に思うあなたがこの箸にどんな思いを込めたか私にはわかります。
一体何が言いたいんですか?それにあなたと一緒にしないでください。
私には検事さんみたいに働いて自由になるお金なんてないんです!ポイントだって家計をやりくりしながら必死になって貯めたんです!検事さんにポイントのありがたみなんてわかるわけないんです。
あなたが相談サイトに投稿した書き込み読みました。
今度は相談サイトかよ…。
どうして…?なぜこんな恥ずかしい事まで検事さんに知られなきゃいけないんですか!?恥ずかしい事なんかじゃないわ!離婚の原因が女性なら夫をなじる事もたたく事も出来る。
だけど親の介護のためって言われたらもうそりゃあどうにも出来ない。
でも離婚を決める前にどうして自分に相談してくれなかったかもし私だったら怒りまくって慰謝料ふんだくってやります!あの大原の新築の家。
あそこにはご主人とのこれからの暮らしを思うあなたの気持ちがいっぱい詰まってるように見えました。
あなたは突然理不尽な離婚を切り出された。
でもあなたは耐えた。
サイトに悩みを打ち明け箸を折るだけであなたは耐えた。
そんなあなたに秦野はつけ入ったんじゃないんですか?話してくださいあなたの気持ちを全て。
私…待ってました。
(和子)主人が最後の勤務を終えて戻ってくるのを。
(吠える声)
(和子)帰ってきた!長い間お疲れさまでした。
見て見て!今日は鯛の尾頭付き!ビールも冷えてるから。
話があるんだ。
ちょっと…。
(和子の声)主人は箸には目もくれず突然切り出したんです。
(清水)離婚してくれないか?今なんて言ったの?君には黙っていたが親父が倒れた。
俺は長男だ。
親父の面倒をみる責任がある。
それがどうして離婚なの?君は大原の家で暮らせばいい。
なぜ離婚しなきゃならないのかって聞いてるのよ?言い合いはしたくない。
お互いのためなんだ。
どうしていいかわからなかった…。
相談サイトの事は近所の奥さんから聞いていました。
突然主人に離婚を言い渡されたなんて誰にも相談出来なくて…。
でネットカフェに行ったんですね?
(和子の声)サイトはなんとか開けました。
でも書き込みの仕方がわからなくて…。
隣の男の人に聞いたんです。
あの…すいません。
それが秦野満だった。
あんたは彼女の開いているサイトを見たはず。
あんたは彼女がどんな悩みを持っているのかに興味を持った。
で自分の席に戻って彼女の開いていたサイトを開いて今書かれたばかりの彼女の書き込みを読んだ。
金になる…あんたはそう思った。
あんたも早く割り切りなよ。
あんたの亭主あんたと暮らすのはもううんざりなんだよ。
頭が真っ白になって…。
どうやってマンションに帰ったのか覚えていません。
あんたはそんな彼女をずーっとつけていった。
で彼女が大原の家で箸を折るのを茂みから見ていた。
自分の言った言葉が彼女を打ちのめしている。
あんたはそう確信した。
で今回の犯行を計画した。
よくそんなでたらめ…。
茂みに残っていた靴跡が事件当日あんたが履いてた靴と一致したんだよ。
(美波)軍手とナイフもあなたが用意したものですよね?大原のバス停近くのスーパーの防犯カメラにあなたの姿が映ってました。
わかりました。
秦野満が自供したそうです。
宅配便を装い押し入った秦野はあなたを取り押さえこう言ったそうですね。
亭主の事殺したいほど憎いだろ?あんたの望みかなえてやるよ。
その代わり亭主が死んだらその遺産半分くれよ。
(吠える声)亭主が帰ってくるのか?
(和子)違うの…違うの!ああっ…。
あなたは命の危険を感じた。
でもそれはご自分の命ではなくご主人の命だった。
もしご主人がドアを開け秦野がナイフで刺そうとしていたのならあなたの行為は正当防衛と認められます。
ですがあなたはドアスコープをのぞいていた秦野を消火器で殴打してしまった。
それは正当防衛とは認められません。
はい起訴してください。
処分を下す前に伺いたい事があります。
ご主人を守ろうとした事をなぜ最初に言わなかったんですか?それどころかあなたは必死にその事を隠そうとした。
それが私にはわからない。
これを主人に返していただけますか?秦野満を送検した。
とりあえず事件解決だな。
いいえまだ終わってないわ。
清水和子の心の中で何が起こったのか…。
定年の日ご主人はなぜ唐突に離婚話を切り出したのか。
夫婦ってやつはわかんねえもんだよな。
若い頃の俺はさお寺の事も親父の事も全部女房任せでさ。
せめてもの罪滅ぼしに女房を温泉に誘ったんだよ。
けどあっさり言われちまったよ。
行くならお義父さんも一緒にってさ。
亡くなった奥様ご住職の事が大好きだったのね。
まあ俺が思う以上に親父の事考えてくれてた。
その時気づいたよ。
女房の気持ちなんてなんにもわかっちゃいなかったってな。
奥様から預かってきました。
ありがとうございます。
それで本当にいいんですか?私も親父と一緒なんです。
はっ?親父は仕事人間でしてね。
おふくろは親父だけに尽くして親父より早く死にました。
結局私も…。
せめて定年後は家内には思い通りにさせてやりたかった。
だけど脳梗塞で突然倒れた親父を引き取れば結局家内が面倒をみる事になる。
そんな事はさせられません。
事件の当日出掛けていたのは家の名義を家内のものにするためだったんです。
はあ…!?女房の気持ちなんてなんにもわかっちゃいないんだなぁ。
はっ?お互い相手を思ってるのにボタンの掛け違い。
どうしてこんな事に…。
これは定年の日奥様があなたにプレゼントしようとして用意していた箸です。
心づくしの料理と一緒に並べられていた事をあなた気づいてましたか?ちょっと…。
あなたが奥様の事を思って切り出した突然の離婚話に奥様は絶望のふちに突き落とされた。
お父様のお写真ここで撮ったものじゃないですか?写真?ご自宅に飾ってあったご両親のお写真です。
そういえば…。
お父様はこの三千院を気に入っていらした。
奥様はその事をちゃんとご存じだったんじゃないでしょうか。
だから大原を選んだ。
この家は三千院から歩いてすぐです。
ここならいつでもお父様の大好きな三千院に連れて行ってあげられる。
お父様と3人で暮らしたい。
ここは奥様のそんな思いが込められた家です。
はいお願いします。
ぜひ置いてみてください。
ええ店長さんお願いします。
はいお願いします。
新製品なんです。
はい清水です。
今日で私の取り調べは終わります。
何か言いたい事はありますか?
(和子)いいえ。
では私のほうから1つだけ。
昨日ご主人と大原の三千院に行ってきました。
事件の日にご主人が外出していたのは大原の家の名義をあなたに書き換えるためだったそうです。
離婚を切り出したのもただただお父様の介護であなたに苦労をかけたくなかったからだそうです。
本当に不器用でやさしい方ですね。
私は…私は何もかも信じられなくなって…。
検事さん。
私は主人を殺したんです。
心の中で何度も何度も主人を…。
だからご主人を守ったと口に出来なかったんですね。
確かに心の中ではご主人を殺したかもしれない。
でも現実にはあなたは身を挺してご主人を守ったんですよ。
守ったんですよご主人の命を。
処分を言い渡します。
あなたを傷害の罪で起訴します。
はい。
でもあなたには十分情状酌量の余地が残されています。
和子…。
ゆうべ磨いておいた。
俺はお前にひどい事をした。
30年も一緒に暮らしながら…。
まったくバカな男だ俺は…。
だけどそんな俺にまたついてきてくれないか?いや…ついてきてほしい。
それから…親父の事も頼む。
(嗚咽)
(泣き声)和子…。
(泣き声)
(清水)和子…。
少し時間はかかるかもしれないんですけどあの奥さんきっとまたここにお箸を注文しに来ると思うんです。
しかも今度は3膳!だからねその時少しだけでもおまけしてほしいんです。
3膳で2万4千ポイントのところを2万ポイント!いやいやいやいや!うちではそういう事は…。
ちょっとポイントまで値切らないでよ!ねえそんなかたい事おっしゃらないでご主人。
お願い!ねっねっ!
(小寺)
今日のあるき目ですは2015/06/16(火) 09:55〜10:53
ABCテレビ1
京都地検の女7[再][字]
「夫の知らない殺意!!京都大原、熟年離婚が招く三角関係の罠!?」
詳細情報
◇番組内容
名取裕子主演▽“主婦の勘”を武器に難事件に立ち向かう女性検事・鶴丸あやの活躍を描く検察ミステリー第7弾!心に響く深い人間ドラマを京都情緒たっぷりにお届けします!
◇出演者
名取裕子、寺島進、益岡徹、渡辺いっけい、蟹江敬三 ほか
ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
福祉 – 文字(字幕)
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
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