東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 政治 > 紙面から一覧 > 記事

ここから本文

【政治】

自国守るため集団的自衛権行使 外相「他国前例ない」

写真

 集団的自衛権の行使容認を柱とする安全保障関連法案に関する衆院特別委員会は十九日、関係閣僚が出席して一般質疑を行った。岸田文雄外相は、安保法案が集団的自衛権行使の要件に定める「存立危機事態」が外国で発生した事例について「こうした厳格に限定された条件で行使した例はない」と明らかにした。過去に国連安全保障理事会に報告された十四件の行使事例のうち、該当例がないことを根拠に挙げた。

 政府は、他国への攻撃で日本の存立が脅かされ、国民の生命や権利が根底から覆される明白な危険がある「存立危機事態」になった場合、日本を守る目的に限って集団的自衛権の行使が許されると説明している。

 これに対し、共産党の宮本徹氏は「世界でこんな事態は起きたことがない。集団的自衛権の行使に道を開くために頭の中で空想的観念をつくり上げただけだ」と批判した。法案に規定された存立危機事態の定義はあいまいで、いくら政府が集団的自衛権の行使を限定的にすると説明しても、政府の裁量で行使が際限なく広がる危険性がある、との指摘だ。

 政府が集団的自衛権の行使容認は合憲だと説明した九日の見解は、安全保障環境の変化で「他国に対して発生する武力攻撃であっても、わが国の存立を脅かすことも現実に起こりうる」と明記した。

 岸田氏の答弁は、海外で政府見解の想定と同様の事態が起きたことがないと認める内容だ。

 

この記事を印刷する

PR情報