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【プロ野球】

広島が通算4000勝到達 前田が1失点完投勝利

2015年6月20日 紙面から

◇広島3−1DeNA

完投の前田(右)から球団通算4000勝のウイニングボールを受け取る緒方監督

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 広島の前田が今季初の完投勝利で5勝目を挙げた。打たせて取って5安打1点に抑えた。打線は1回にエルドレッドの犠飛で先制。3回は松山の適時二塁打、7回はシアーホルツの適時打で加点した。DeNAは1分けを挟んで11連敗。

      ◇

 勝者に許された和の中心で、前田は優しくほほ笑んでいた。雨中の119球の熱投。5安打1失点で今季初、昨年8月22日の阪神戦以来の完投勝利だ。球団創設66年目で到達した通算4000勝。節目の1勝は、エースが勝ち取った。

 「(中9日で)久しぶりだったので最初から力を入れていった。球数少なく、直球が思い通りに制球できた」。最速150キロの直球を主体に、スライダーで打者を幻惑。7回に1点を失ったが、安心して見ていられる投球内容だった。敵地での連敗も7で止め、「もう言われることもないですね」と静かに笑った。

 08年9月28日。広島市民球場最終戦のヤクルト戦で勝利した。翌09年4月11日の中日戦で、マツダスタジアム初勝利。節目にはめっぽう強い。9年で重ねた87勝。球団史にまた1つ、エースの功績が刻まれた。

 戦後復興を支えた赤い市民球団。勝利の数だけ夢があった。1950年3月14日の国鉄戦で記念すべき1勝。1975年には初優勝を飾った。悔し涙にうれし涙。戦いの裏にはいつも感動がある。敵地でも球場の左半分を埋め尽くす赤い応援団。前田は「声援が力をくれた」と感謝した。

 リーグ再開初戦での快勝劇。「チームにとっても、僕にとってもいいスタート。あしたから大事。勝っていけたら」。通算4001勝を目指して、また新たな戦いが始まる。 (田中政行)

 

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