ナツイチ メンバー一人ずつ講評 その10 蒼い時を読んで 川栄李奈
蒼い時を読んで 川栄李奈
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りっちゃんはBAKセンターとなり,世間ではバカと思われているが,私はそれほどバカだとは思っていない。
ダンスもそれほど上手くはなくて,私も以前よりりっちゃんをどう評価していいものかはなかなか考えあぐねてはいたのであるが,意外と努力は人一倍やるタイプなのである。
とはいえ,読書感想文としては,メタメタと言っていい。
読書感想文の嫌いな子が,あらすじを繋げてなんとか書いた,という印象の感想文である。
けど,その中にもハッとしたことはあって,読んだ本がそうであったからというのもあるのであるが,自分を山口百惠になぞらえて,結婚と同時に芸能界を辞めることを想像しているところは,なかなかいいと思った。
アイドル絶頂のりっちゃんが,結婚と同時に芸能界を辞めることをこれ以上深く突き詰めることはできないだろうから,それは仕方ないとして,百惠さんが人気を掴んで絶頂になったとき,その間の苦悩などがこの本にかかれてないのだろうか?いや絶対書かれているだろう。
であれば,そういうところからもっと何かを掴み取って,それを自分のものにして欲しいと思う。
りっちゃんはアイドルだから,いずれオトコはあまた出てくるだろう。
アイドルや歌手が,結婚しては離婚・再婚し,その都度子供を作り,複雑な家庭環境になるのは見てきていると思う。
そうすると,百惠さんと似たような環境の子供を,りっちゃん自身が拡大再生産する可能性も,実は少なくないのである。
これもまた,18歳の少女が読書感想文に書くには重い問題であり,書けなかった可能性もあると思うのであるが,いま一度読み返し,百惠さんのような子供を作らず,オトコは一人に決めて幸せに暮らす。
・・・にも関わらず,百惠さんのように家庭に入るのではなく,できれば自分は女優やモデルを続けてもらいたい。
そこまでの人生を,りっちゃんはまだ妄想でいいから,想像してもらいたいと思う。
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