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■高村正彦・自民党副総裁

 いま私が言っていることと、私の過去の発言が違っているじゃないかと、民主党の議員が安保特別委で指摘した。ひとつは1999年の外相時代の発言。閣僚として答弁する以上、時の政府見解に基づいて答弁するのは当たり前だ。今、その政府見解を見直そうとしているのだから、違っているのは当たり前だ。

 もう一つは02年、衆院の憲法調査会での田久保忠衛参考人との質疑で「集団的自衛権を行使する場合は、憲法改正が筋である」と言っている部分だ。当時は「限定容認論」などというものは、私の頭の中は別として、世の中では全然そういう論議はなかった。しかも田久保参考人は、国連憲章で認められている集団的自衛権をまるまる行使できるという議論を主導しておられる方の一人だった。

 それ以前に自民党に講演に来られたときには、「内閣法制局という役人が作った見解であるから、総理大臣が『やめた』といえばすぐにでも変えられる」と述べておられた。私は、「内閣法制局が作ったにしても、それを首相・外相・防衛相がずっと言ってきたのだから、(見解を変えるのは)それほど簡単なものではない。集団的自衛権をまるまる行使するのは、やはり憲法改正が筋ですよ」と申し上げた。

 その見解は今でも全く変わっていない。集団的自衛権をまるまる行使する場合は、憲法改正が筋であるというのは今でも全く変わっていない。(自民党本部で記者団に)