集団的自衛権:官房長官が挙げた憲法学者2氏「行使当然」

毎日新聞 2015年06月19日 21時52分(最終更新 06月20日 00時16分)

【左】百地章・日本大教授【右】西修・駒沢大名誉教授
【左】百地章・日本大教授【右】西修・駒沢大名誉教授

 集団的自衛権の行使容認を含む安全保障関連法案を「合憲」とする憲法学者の西修駒沢大名誉教授と百地章(ももち・あきら)日本大教授が19日、東京・内幸町の日本記者クラブで記者会見した。1959年の最高裁砂川事件判決について、西氏は「集団的自衛権を否定していない」と述べ、政府・与党が合憲の根拠とする解釈を追認。百地氏も「最高裁が認めているので憲法違反の問題はクリアしている」と主張した。

 両氏については、4日の衆院憲法審査会で自民推薦を含む参考人の憲法学者3人が安保法案を「違憲」と指摘したのを受け、菅義偉官房長官が「合憲派」として名を挙げていた。

 砂川判決は在日米軍の合憲性が問われたものだが、西氏は「『我が国の平和と安全を維持するための安全保障であれば、国際情勢の実情に即応して適当と認められるものを選ぶことができる』などと踏み込んで書かれている」として、集団的自衛権容認の根拠にもなると指摘した。

 百地氏は「集団的自衛権は国連憲章で全加盟国に認められた『固有の権利』だ。憲法に明記されていなくても行使できるのは当然だ」と述べた。一方、政府の説明について「世論調査で法案への賛成が広がらない責任は政府にもある。国民は法案の中身が分からないから不安がある」と注文も付けた。【田中裕之】

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