おしゃれな雑誌で撮影をしていただくことになり、「おしゃれな雑誌に着ていく服がない…」とうめきながら会社を定時前に抜け出して撮影に向かったところ、わたしが一日日付を間違えていて撮影日は翌日であることが発覚した。
心で泣きながら「ちょうどいいからおしゃれな雑誌に着ていく服を探そう…」とデパートに向かったが、笑顔でデパートから出てきた女の手には、撮影とは無関係なピアスが握られていた。衝動買いは悲しみへの何よりの薬である。
ベンゼン環や雪の結晶を思わせるつくりのアクセサリーたち、たぶんネットか雑誌で目にしたことはあるのだが、合成オパールとコットンパールのうそっぽい輝きと三角形のフォルムがじかに見るとすごくかわいい。あいにく冠婚葬祭に使えるような「ちゃんとした」真珠なんて持ってない。
髪を短くしたので、大ぶりのピアスもつけてみたいなと思っていたところでした。これでしばらくは、もし悲しいことがあっても大丈夫。