【ソウル聯合ニュース】東京で21日に開かれる韓日外相会談を前に、杉山晋輔外務審議官が19日、来韓した。
杉山氏は外交部の趙太庸(チョ・テヨン)第1次官と会談し、外相会談の議題について詰めの調整を行うとみられている。
尹炳世(ユン・ビョンセ)外交部長官の安倍晋三首相への表敬訪問、額賀福志郎日韓議員連盟会長の朴槿恵(パク・クネ)大統領への表敬訪問などが話し合われる可能性もある。額賀氏は22日にソウルで日本大使館が開く韓日国交正常化50周年記念式典に安倍首相の特使として出席する予定だ。
韓日外相会談では、旧日本軍の慰安婦問題、朝鮮人が強制労働させられた施設が含まれる「明治日本の産業革命遺産」の世界文化遺産への登録問題などが集中的に協議される見通しだ。
特に、韓日の大きな懸案となっている慰安婦問題について、杉山氏が韓国側の最終的な意向を打診するとの憶測も出ている。韓日両政府は今月11日まで8回にわたり局長級協議を開き、慰安婦問題を話し合ってきた。
韓日はこの問題をめぐり、2012年に当時の佐々江賢一郎外務事務次官が韓国に提示した、いわゆる「佐々江案」を基本軸とし、「プラスアルファ」を議論してきたとされる。
佐々江案は▼日本の首相による直接の謝罪▼駐韓日本大使による被害者との面会・謝罪▼日本政府の予算を用いた被害者補償――などが骨子だという。
韓国政府は日本に対し、明白な責任の認定と謝罪、賠償を求めている一方、日本は道義的な責任については柔軟な態度を見せながらも、法的には1965年の韓日請求権協定で解決済みとの立場を崩していない。
日本経済新聞は18日、安倍首相による謝罪や責任への言及を含む声明の発表などが韓日の間で協議されていると報じた。
また、日本は韓国に対し、朴槿恵政権での慰安婦問題の最終解決への保証を要求していると伝えた。
ただ、杉山氏の来韓で「難題中の難題」である慰安婦問題に対する障害を全て取り除くことは容易ではない。韓国政府の当局者は「杉山氏は尹長官の訪日と関連して全体的な日程を調整するために来韓すると聞いており、何かの懸案について協議するわけではない」と述べ、憶測が広がることを警戒した。