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  日本漫画映画の全貌

 「日本漫画映画の全貌」に行ってきました。いや、素晴らしい内容でしたよ。まさしく宝の山。戦前の作品から、近年のスタジオジブリのものまでの、イメージボードや原画、キャラクター設定等がどっさりと展示されていました。
 中でも感心したのは『太陽の王子ホルスの大冒険』で宮崎駿さんの手による、氷のマンモスと岩男の対決シーンの原画。例のマンモスが大口を開けて岩男をガブリとやって、歯がボロボロになるカットです。これが実に緻密な原画なんですよ。マンモスの上に乗っている極小サイズのグルンワルドとホルスも、ちゃんと動いている。色鉛筆による塗り分けも綺麗でね。35年も前にこんな原画を描いていたのか! と驚きました。『どうぶつ宝島』のストーリーボードも相当な量が展示されていて、これもマニア的にはかなりのウハウハもの(笑)。
 会場では資料の展示だけではなく、モニターやプロジェクターで様々な作品のダイジェストを流していました。あまり観る機会のない戦前、戦中の作品も、何本も取り上げられています。また、会場で販売されていたカタログは、250ページを越える大ボリュームで、これまた資料満載。特に東映長編に関しては、今まで出版された関連書籍の中でも、最も充実したものでしょう。このカタログはアニドウのHPでも購入できるようです。

[日本漫画映画の全貌]
http://www.ntv.co.jp/mangaeiga/

[アニドウ]
http://www.anido.com/

 今回の催しは、戦前、戦中のアニメーションから、東映長編、Aプロダクション、テレコムアニメーションフイルム、スタジオジブリと連なる流れの作品を「漫画映画」として取り上げています。「漫画映画」と言っても、若い読者にはピンとこないかもしれないので、ちょっと説明しますね。大雑把に言うと、「アニメーション」という大きな括りを「アニメ」と「漫画映画」に分ける事ができるんです。この分け方でアニメーションを二分すると、現在日本で作られているアニメーションの大半が「アニメ」になります。それに対して「漫画映画」はクラシックなスタイルの作品を指すわけです。
 「アニメ」と「漫画映画」をどこで一線を引くか、あるいは「漫画映画とは何か」というのは、ちょっと難しい問題です。そして、これはアニメについて語る上で、時々、重要なポイントとなるんですね。今回のイベント関係者もそれが気になったのか、カタログで何人もの書き手が「漫画映画とは何か」について書いていました。これも、なかなか興味深いものでした。
 展示の最後のスペースで、このイベントの構成も担当している、なみきたかしさんが脚本・演出(演出は辻繁人と共同)を担当した「まんがえいがはったつし」という短編が上映されています。これは過去の漫画映画から抜粋した映像を中心にして構成されたもので、なみきさんの漫画映画史観と、それに対する愛情の深さがよくわかるものでした。「漫画映画とは何か」を定義するのは難しいけれど、漫画映画が大好きな人達がいるのは間違いないのです。

(2004/07/22)

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