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【東京】

砂川闘争60年 元被告・土屋さんら 「今こそ意義 訴える時」

「伊達判決を生かす会」の会見で話す土屋源太郎さん(左)=千代田区で

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 「砂川闘争、伊達判決の意義を今こそ訴える時だ」。十八日に国会内で行われた「伊達判決を生かす会」の記者会見。一九五五年に始まった砂川闘争に参加した「砂川事件」元被告の土屋源太郎さん(80)は、くしくも砂川闘争六十年の節目の年、政府が集団的自衛権行使容認の合憲性の根拠に、同事件の最高裁判決を引用していることに怒りをあらわにし、砂川闘争や伊達判決の意義を訴えていく考えを示した。 (榎本哲也)

 五七年、砂川町(現立川市)の米軍立川基地拡張に反対する砂川闘争のデモ隊が基地内に立ち入ったとして、七人が起訴されたのが砂川事件。その一審で、米軍駐留を違憲とした無罪判決が「伊達判決」と呼ばれる。最高裁は一審を破棄、のちに有罪が確定した。

 この日の会見は、闘争や事件を経験した土屋さんらでつくる「生かす会」が、集団的自衛権行使の論拠に砂川事件最高裁判決を使う政府の論理が「空論」だと訴えようと設定された。

 土屋さんは「政府は、集団的自衛権行使は違憲という声が広がったため追い込まれ、砂川事件最高裁判決に寄り添ったというか抱きついた。当事者として許せない」と語り、こう決意を新たにした。「砂川事件、伊達判決はほとんどの人が忘れていた。安保法案審議で政府が(最高裁判決を)持ち出したこの機会に、われわれがきちっと主張することが大事」

 砂川闘争に参加した元立川市議の島田清作さんも「今年は六十周年なので、砂川闘争は何だったのかを考える集会を、立川市で十一月五日に行おうと準備を進めている」と話した。

 

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