慰安婦:韓国外相が初訪日、「法的責任」めぐり綱引き

交渉は最終段階へ
挺身隊問題対策協議会「日本が認め賠償すればそれが法的責任を認めたこと」
日本側「私的補償」に重点

慰安婦:韓国外相が初訪日、「法的責任」めぐり綱引き

 韓国外交部(省に相当)の尹炳世(ユン・ビョンセ)長官が韓日国交正常化50周年を迎えるにあたり21日、日本を訪問することになった。2013年2月に就任した尹長官が訪日するのは初めてだ。また、日本の安倍晋三首相の特使として額賀福志郎・日韓議員連盟会長(元財務相)が韓国を訪問すると伝えられ、韓日関係改善への扉が開かれるのかが注目される。尹長官の訪日中には安倍首相との会談も推進されていることが分かった。

 何よりも注目されるのは、尹長官訪日を機に両国関係最大の懸案である従軍慰安婦問題で突破口が開かれるかどうかだ。韓日間の慰安婦問題交渉は外交部局長級で昨年4月から計8回行われた。昨年までは両国の方針を確認する程度だったが、今年からは実質的な進展があったとのことだ。

 両国は「日本が元慰安婦に謝罪し、金銭的な支援をする」という大きな枠組みでは共通認識を持っているが、謝罪や支援の性格・方式などをめぐり意見に違いがある。特に、日本政府は「法的責任を認めること」に最もアレルギー反応を示している。韓国側は「日本政府は法的責任を認め、賠償すべきだ」としてきた。しかし、日本側は「1965年の韓日請求権協定に基づき法的な問題は完全に終わっているため、道義的な次元で謝罪と金銭支援をする」と反論した。政府筋によると、双方は現在、最も大きな問題である「法的責任」の部分で「あいまいさがある折衷案」を作るのに最終段階の綱引きを繰り広げているという。「法的責任」を明記するものの、日本政府が過去にどんなことをしたかを具体的に認識し、これによる被害賠償または補償措置をする方向で接点を見いだそうとしているとのことだ。

 これについて、元慰安婦たちの見解を代弁する韓国挺身隊問題対策協議会(挺対協)関係者は「事実関係を認めて賠償するなら、それはすなわち法的責任を認めたことになるというのが当方の見解だ」と述べた。挺対協側は日本が認めるべき「事実」として▲日本政府と日本軍が軍の施設として慰安所を立案・設置して管理・統制したこと ▲女性が本人の意思に反して「慰安婦・性奴隷」になったことなどを提示している。

 一方、日本側は▲在韓日本大使館前の少女像(慰安婦像)撤去▲国際社会での慰安婦問題提起中止などを要求している。政府筋は「慰安婦問題の交渉は両国政府も重要だが、基本的には元慰安婦たちが納得できる結論を出すべきだ」と語った。

 尹長官と額賀特使の相互訪問結果によって、韓日首脳会談を開催するかどうかも決まるものと見られる。一方、22日にソウルで開かれる駐韓日本大使館主催の国交正常化50周年式典には尹相直(ユン・サンジク)産業通商資源部長官が韓国政府代表として出席し、朴槿恵(パク・クンヘ)大統領のメッセージを代読することが分かった。また、東京で行われる式典には安倍首相の「外交策士」と呼ばれる谷内正太郎・国家安全保障局長が出席する可能性があることが分かった。

東京=金秀恵(キム・スへ)特派員
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