2015年6月18日17時25分
戦後70年の今年、子どもたちが戦争について知るきっかけに――。朝日新聞社は、この夏も、教育特集「知る原爆」「知る沖縄戦」をご希望の学校に無料でお届けします。
「知る原爆」は発行4年目。これまでに小学校を中心に約100万部をお届けしています。漫画「夕凪(ゆうなぎ)の街 桜の国」の作者こうの史代さんのメッセージや、「はだしのゲン」の故中沢啓治さんインタビューなど。新たに、長崎出身のシンガー・ソングライター福山雅治さんが、被爆したクスノキを題材にしてつくった歌の紹介などを加えました。全文ふりがな付き。通常の朝日新聞の半分のコンパクトサイズで、カラー20ページです。
「知る沖縄戦」は主に中学生以上が対象で、2年目の発行となります。昨年は37万部をお届けしました。ひめゆり学徒隊や集団自決、対馬丸撃沈。多くの住民が巻き込まれた地上戦の悲劇を伝える証言を中心に、Q&A方式の解説、沖縄出身のモデル知花くららさん、腹話術師いっこく堂さんのメッセージなどで構成しています。コンパクトサイズでカラー16ページ。沖縄戦を伝え、知ろうとする若い世代の取り組みのほか、解説やグラフィックなどを追加し、昨年から4ページ増やしました。
希望する特集名を明記し、校名と所在地、電話番号、担当者名、必要部数を記入し、ファクス(06・6221・5634)かメール(1525@asc-g.co.jp)でお申し込みください。学校単位が原則ですが、個人でもお受けします。申し込み多数の時、ご希望に沿えない場合もあります。お申し込みは8月末までです。
問い合わせは朝日新聞コミュニケーションセンター(06・6222・2000)。
■「知る原爆」の内容
◇1ページ
原爆は二度と繰り返してはいけないと言えば、ほめてもらえた。だけど心の中はずっとモヤモヤしていた――。原爆投下後の日常を描いた「夕凪(ゆうなぎ)の街 桜の国」の著者こうの史代さんの漫画とメッセージです。
◇2~3ページ=げんばくって いちから学ぶ
原爆ってどういうもの? どうして落とされたの? Q&A方式で原爆について、できるかぎりやさしく説明しています。
◇4ページ=伝えたいこと
「本当は思い出したくないんよ」。小学5年生の朝日小学生新聞リポーターが、当時小学5年生で被爆した78歳の元教師から話を聞きました。
◇5ページ=モノはかたる
理髪店の時計の文字盤、小さなパンツ――。原爆投下直後に亡くなったり、行方不明になったりした方々の、遺品にまつわるエピソードです。
◇6~7ページ=かこ みつめて
原爆や平和のことを考えるきっかけになる本と絵本を、学年別に広島市こども図書館や長崎市立図書館の人に紹介してもらいました。
◇8~9ページ=みらいひらく
原爆投下後の広島でたくましく生きる男の子を主人公にした「はだしのゲン」。作者の中沢啓治さんが作品に込めた思いを語ります。
長崎への原爆投下で黒こげになりながら、のちに芽吹いた「被爆クスノキ」。この木を題材に、シンガー・ソングライター福山雅治さんがつくった歌を紹介します。
◇10~11ページ=みる まなぶ
平和学習に活用できる映画などを、映画の企画制作をしているシネマキャラバンV.A.Gの友川千寿美さんに紹介してもらいました。
◇12~15ページ=再現 広島・長崎
あの日、広島と長崎で何が起きたのか。朝日新聞社の被爆60年アンケートに寄せられた1万3204人の証言を元に再現しました。
◇センターA~Dページ=たずねる広島、たずねる長崎
広島と長崎には、傷ついた建物や亡くなった人の持ち物などが、今も大切に残されています。その一部を写真で紹介します。切って折って簡単な工作をすると、持ち運びに便利な小冊子になります。感想を書き込めるコーナーもあり、修学旅行などで広島・長崎を訪ねた時のミニガイドになります。
■「知る沖縄戦」の内容
◇伝えたいこと
沖縄出身のモデル知花くららさん、腹話術師いっこく堂さんが、沖縄戦についての思いや若者たちへのメッセージを語ります。
◇沖縄戦Q&A
「なぜ沖縄が戦場になったの?」「住民はどうなったの?」。沖縄戦の基礎知識をQ&A形式でまとめました。
◇対馬丸の撃沈
沖縄から疎開する子どもら約1800人を乗せた対馬丸が、米潜水艦の攻撃を受けて沈没、1400人余りが犠牲になりました。当時9歳で、約1週間海をただよって生還した女性の証言です。
◇地上戦を生きのびたある母親の記録
沖縄戦をはさんで1年余りの間に、母、夫、長男、長女…と次々と家族を失ったある母親の行動記録と証言から、住民を直接巻き込んだ地上戦の様子を再現します。
◇ひめゆりの悲劇
沖縄戦では、いまの中学、高校生にあたる若者たちが戦場にかりだされ、犠牲となりました。生き残った方の証言とメッセージを紹介します。また、ひめゆり平和祈念資料館では、若い世代が、沖縄戦で何があったかを伝える仕事をしています。どんな思いで、そうした仕事をしているのでしょうか。
◇子どもたちの戦場
元学徒隊の男性が、米軍の攻撃から逃げる途中で、同級生が何人も亡くなった体験を語ります。また、今年2月、広島の学生ら約70人が、負傷兵の看護にあたり、戦場を逃げまどった元学徒隊の女性の足跡を、3日間かけてたどりました。
◇「集団自決」
「米兵につかまるぐらいなら、死を選べ」。そう教えられていた人たちは、激しい戦闘のなかで追い込まれていきました。手投げ弾を爆発させたり、幼い弟や妹を手にかけたり……。2人の証言です。
◇もっと知るために
戦後、沖縄県で最初に建てられたという慰霊碑や、地下に掘られた旧海軍司令部壕(ごう)、多くの住民らが亡くなった自然洞窟(ガマ)を紹介します。沖縄戦について学べる本のガイドコーナーもあります。
◇沖縄のいま
沖縄戦から70年。米軍基地が集中する沖縄のいまをまとめました。
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