もし埋蔵金を見つけてしまったらどうすればいい?
有名どころでは、群馬県赤城山に眠るといわれる「徳川の埋蔵金」。また、島原の乱で敗れた際に隠された「天草四郎の秘宝」や、財宝の隠し場所を示す歌までもが存在している「佐々成政(さっさ・なりまさ)の財宝」など、日本全国にその伝説は残っている。
今まで幾人もの男たちが発掘に挑戦してきたが、こうした有名な埋蔵金ほど大きな発見に至っていない。一方で、1963年に東京都中央区の工事現場から8億円相当の小判が発見されたように、偶然発見されることが多い。
なぜ、有名な財宝ほど発掘が困難なのか。それは刑法第130条「住居侵入罪」の存在が関係している。たとえば、財宝が埋まっている場所が特定できたとしても発掘作業をするとなると、その場所が個人宅であれば個人に、土地を管理しているのが県であれば県に、国であれば国に許可をとらなければならない。
埋蔵金という夢物語のような理由で、なかなか発掘許可は出ないものだ。日本の埋蔵金ハンターの草分け、八重野充弘氏はこう語る。
「徳川の埋蔵金発掘のため林野庁に許可申請したことがあります。埋蔵金とはほとんど関係のない大学教授の協力も得て“史跡調査”という名目で、たくさんの書類を提出しました。なんとか許可は下りたけれども“原状復帰”が条件でした。つまり、せっかく金山の坑道を掘り返しても、また埋め直せってことです。でも、実際にはいまだに“原状復帰”していません(苦笑)。そういうこともあります」
しかも、もし埋蔵金を発見しても、それを自分のものにできるとは限らない。民法第241条「埋蔵物の発見」の規定により「遺失物法」の適用を受けてしまう。つまり埋蔵金を発掘しても、道でお財布を拾うのとまったく同じ。発見者は、発見したモノを7日以内に所轄の警察署長に届け出なければならないのだ。そのままネコババすれば、「遺失物等横領」にあたる。
そして届け出された“遺失物”について警察署が6ヵ月公告し、持ち主を探す。埋蔵金の場合、先祖が持ち主であることと、本人に相続権があることの証明が必要。持ち主がわからない場合、発見者と土地の所有者が埋蔵金を折半することになる。
一攫千金の夢がつまった埋蔵金だが、なかなか現実はうまくいかないようだ。
(取材/鈴木英介)
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