06月18日 12時32分
アイヌ民族の儀式に欠かせないものの、酒税法の規制で自由につくることができない「トノト」と呼ばれる伝統的なお酒づくりに、小樽市の酒造会社と白老町にあるアイヌ民族博物館とが共同で取り組むことになり、伝統文化のいっそうの理解につながることが期待されます。
ひえなどを主な原料にするトノトはアイヌ民族の儀式に欠かせない伝統的なお酒ですが、製造には酒造免許がいるため教育目的などのために特別に許可を得る場合以外、自由につくることができません。
こうした中、小樽市の酒造会社、「田中酒造」と白老町にある「アイヌ民族博物館」は、伝統文化を広く知ってもらおうと、トノトの製造に共同で取り組むことを決め、先月から試験的な酒づくりを始めました。
酒造会社が文献などをもとにトノトをつくり、アイヌの人たちに試飲してもらいながら、伝統の味や香りに近づけていく考えです。
出来上がったトノトは、アイヌ民族博物館が観光客向けに開く催しなどでふるまうほか、将来的に、市販も検討する考えです。
アイヌ民族博物館の野本正博館長は「酒づくりもアイヌの重要な文化の1つで、それを伝えていく役割も果たせるのではないかと期待している」と話していました。
新着ニュース