ONTENNA
髪の毛で音を感じる
新しいユーザインタフェース
髪の毛で音を感じる
新しいユーザインタフェース
ONTENNA(オンテナ)は、ヘアピンのように髪の毛に装着し、振動と光によって音の特徴をユーザに伝える新しいユーザインタフェース装置です。「まるで、ねこのヒゲが空気の流れを感じるように、髪の毛で音を感じることのできる装置」をコンセプトに、ろう者と協働して新しいユーザインタフェースの開発を試みました。
ONTENNAは、30dB〜90dBの音圧を256段階の振動と光の強さに変換して、音の特徴をユーザに伝達します。音源の鳴動パターンをリアルタイムに振動と光に変換することで、音のリズムやパターン、大きさを髪の毛を用いて知覚することができます。
動画に出てくる女性は生まれた時から耳が聞こえませんが、ONTENNAを使用することで、車が近づくと音がだんだん大きくなっていく様子や、鳥やセミの鳴き声のリズムやパターンを知覚することができました。
ろう者の女性はONTENNAを用いることで、インターフォンと電話の音の違いを知覚することができました。掃除機のシーンを撮影している時、実際にコードを抜いて音がなくなったら反応してほしいと伝えたのですが、彼女は正確に反応することができていました。
髪の毛以外の部分にも装着できるようにしたいという、
ろう者の意見から誕生した、耳たぶで音を感じる装置。
動画の男性は生まれてからすぐに耳が聞こえなくなりました。しかし、ONTENNA earringを用いることで42年ぶりに笛を吹くことができました。彼は「42年前にこの装置があれば、家で一人で笛を練習できたのにな」とおっしゃっていました。
私は3年間、ろう者と一緒になって音を知覚する新しいユーザインタフェースの研究を行ってきました。音のない世界で生活する彼らは、様々なバリアを感じながら生活をしています。ONTENNAを用いることで、ろう者と健聴者の間にある音というギャップが少しでもなくなれば嬉しいと思います。
本多 達也 (Honda Tatsuya)
info@ontenna.jp