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 フランス皇帝ナポレオンがブリュッセル郊外で英国など連合軍に敗れた「ワーテルローの戦い」(1815年)から200年を記念し、ベルギーが記念硬貨を発行した。当初は通常の2ユーロ硬貨を検討したが、フランスが反発。市場で使えない2・5ユーロ硬貨に変更して販売したところ、注文が殺到しているという。

 リーブル・ベルジック紙などによると、ベルギーが2月、2ユーロ硬貨をつくり始めたのを受け、ナポレオンを英雄視する人が多いフランスが文書で抗議した。ユーロ硬貨の発行には全加盟国の承認が必要なため、ベルギーは鋳造が終わっていた18万枚を廃棄した。

 それに代わって製造された2・5ユーロ硬貨には、ワーテルローの戦場跡地に立つ記念碑のライオン像がデザインされた。先月中旬から1枚6ユーロで売り出したところ人気を呼び、ベルギーは10万枚を何度かに分けて販売することにしたという。

 ベルギーのファンオフェルトフェルト財務相は「古い戦いを蒸し返すことが目的ではない。ワーテルローほど近代史で重要な戦いはない」と話している。(ブリュッセル=吉田美智子)