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【戦争の記憶】見送った特攻機は還らず…国守る覚悟、当たり前だった 元学徒兵・弓場達二さん(92)

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【戦争の記憶】
見送った特攻機は還らず…国守る覚悟、当たり前だった 元学徒兵・弓場達二さん(92)

出陣学徒壮行会で、学校長から訓示を受ける出征生徒ら=昭和18年11月、高松高等商業学校(香川大・又信会提供)

 戦後は大手鉄鋼会社に入社、役員などを務め、日本の経済発展に尽力した。現在、第19期生の同窓会「19(いくー)会」の世話役を務める。

 今年4月、香川大のキャンパスに、戦死した同大の出陣学徒を追悼する「戦没学友慰霊之碑」が建立された。碑は、雨が降ると水路を伝って雨水が循環するようになっており、“命の巡り”を水に例えたモニュメントだ。

 「戦争をやめることはできなかったのか。いまではそう思う。ただ、あのころは国を守るために出征するのは当たり前だった」

 平和の中で迎えた戦後70年。朝夕、戦友の冥福を祈る日々は続く。

    (高橋義春)

     

 学徒出陣 戦況の悪化に伴い、不足する兵力を補充するため、昭和18年10月、将来の日本を支えるエリート人材として在学中の徴兵が猶予されていた学生・生徒(学徒)のうち、文科系を中心に猶予措置を停止し、陸海軍に入隊・出征させた。戦地に赴き、多くの戦死者が出た。

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