発売に波紋

酒鬼薔薇聖斗の手記、担当編集「特に戸籍は調べていません」

2015年06月18日(木) 05時00分
〈週刊女性6月30日号〉
2015年06月18日(木) 05時00分
〈週刊女性6月30日号〉

sakakibara 1997年の神戸連続児童殺傷事件の犯人・酒鬼薔薇聖斗(32)が10日、事件の詳細や医療少年院を仮退院した後の生活・心情などを元少年Aとして綴った手記『絶歌』(太田出版、294ページ)を刊行し、波紋を広げている。

「文章はしっかりしているし、内容も筋道を立てて書いている。村上春樹がやたら出てくるけれど。しかし、被害者遺族に無断で出版するのはだまし討ちだ。事件を語ることは被害者の人格にもかかわるのだから、最低限、遺族の了解をとって出すべきだった」(ジャーナリスト・大谷昭宏氏)

 被害者遺族が反発していることに加え、内容も残虐行為の描写が緻密すぎて気味が悪い。例えば猫殺し。

《僕は猫の前にしゃがみ、カッターの刃を目一杯に突き出し、猫の両眼を狙い横一文字に切り裂いた。人間の赤ん坊のような掠れた悲鳴が耳を劈く。鳥肌が立った》(原文ママ、以下同)

 元少年Aは14歳のとき、神戸市須磨区で小学4年・山下彩花ちゃん(当時10)と同6年・土師淳くん(同11)を殺害し、3人を負傷させて兵庫県警に逮捕された。

 ‘04 年に医療少年院を仮退院後、溶接工をしていたときに三島由紀夫と村上春樹を読みあさったという。同時期に自分の起こした事件の新聞・雑誌記事のほとんどすべてに目を通し、他の少年犯罪についても調べたとしている。

 巻末に「被害者のご家族の皆様へ」と題して、執筆理由を次のように説明する。

《自分の過去と対峙し、切り結び、それを書くことが、僕に残された唯一の自己救済であり、たったひとつの「生きる道」でした》

 気取った表現でちんぷんかんぷん。ただ、本を書くことで遺族をさらに苦しめるのはわかっているという。手記の中では具体的なエピソードを伴う謝罪の言葉を繰り返している。ならば、書かなければいいのに……と思うが、

《それをわかっていながら、どうしても、どうしても、書かずにはいられませんでした》

 と訴えるのである。

 版元の太田出版によると、著者の元少年Aが3月下旬、仲介者を通じて手記出版を持ちかけてきたという。そもそも本当に本人なのか。担当の落合美砂取締役は、

「本人確認としては紹介者がいたのがひとつ。原稿を拝読したところ、本人以外は書けない内容でもありました。特に戸籍は調べていません」

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