ひこばえ通信
2005年3月号(第224号)

会員取材レポート 北大阪エコネット
★池田産直会員/鈴木倫代

母も作ってたプリン石けん

 身近にある材料(食用廃油・ご飯・苛性ソーダ・お湯)で作られていて、人にも環境にもやさしいプリン石けん。私が子どもの頃、母は家庭で使ういろいろな物を手作りしていたのを覚えているのですが、その中のひとつがこのプリン石けんです。茶色くてプリプリしていて、当時子どもだった私は、「何だこれは? 変な石けん」というぐらいにしか思いませんでした。


▲(上)左から鈴木倫代さん、豪起君、さくらちゃん、後藤さん。(下)できあがったら容器に詰めて・・・・・・でも手袋大きすぎ。
 この石けんと再会したのは2年ぐらい前でしょうか。たまたまよつ葉さんのチラシで“油汚れに最適”というのを見て、「そうだったっけかなあ……?」というぐらいの気持でとりあえず使うことになったのです。それまでは石けん系の中でも、ほとんど固形か粉か液体のものを使っていたのですが、油汚れを落とすには、たくさんの石けんを使わなければならず、すぐになくなってしまい、悪いとわかっていながらも、しばらく合成洗剤に頼っていた時期もありました。けれどもプリン石けんを使い始めると“油は油で落とすのが一番!”ということをとても実感しました。
 フライパンの油汚れや揚げ物のあとの鍋、カレーのあとの鍋のぬるぬるも、プリン石けんが一番よく落ちるのです。縁あってプリン石けんの製造現場を見学させていただくことができ、環境や人を大事にするためにコツコツと手作りされている姿には、私自身の生き方や生活を見直すよい機会となりました。
昔から田舎の生活があまり好きではなかった私。コツコツと時間をかけて物を作ることや、田舎の人と人とのつながりは、私にとっては苦い思い出があまりに多すぎて、大人になってからはどんどんそういうものから遠ざかっていたように思います。2児の母になった現在も、そういう大事なことと、環境や人間を破壊するものとの間で多くの葛藤を味わう日々ですが、そばにいる子どもたちが体や言葉でいろいろなサインを送ってくれるので、そのつど立ち止まって考えさせられています。プリン石けん作りに感動している子どもたちの姿を見て、私も子どもたちと一緒にもう一度“自分の子ども時代”を生きてみたくなりました。


プリン石けんに関わって
北大阪エコネット・後藤裕己

 北大阪エコネットの活動は環境教育や循環型社会をめざしてはじまりました。私自身は軽いアルバイトのつもりが、いつの間にかどっぷり漬かっています。以前より自然保護に関心をもち活動してきましたが、最近は特に、自然や環境破壊の背景にある社会の仕組みに関心があります。
廃油石けんが環境に良いと言っても、原料の苛性ソーダ製造の副産物や富栄養化の問題もあります。一人ひとりが資源を節約しても、ムダ使いを増やすような経済や、日本の税金で他国の自然を破壊する政策をそのままにしておいては改善にならないからです。
環境に良い活動も自然守ることも同じで、身近なことからするのが第一に必要なことですが、さらにその背景の仕組みをどう変えていくかが私のテーマだと考えています。
 なお、家庭用廃油の回収拠点になっていただける方(お店)を捜しています。廃油石けんの作り方やその講習会を希望される方も、お気軽にご相談下されば幸いです。


回想 東部消費者グループとプリン石けん
川上 美也子

 下に引用したのは、今から16年前の1989年5月に出された「東部消費者グループ」の会報「いのちを護ろう!」の創刊号の一部です。仕掛けたのは私と、現在箕面市長である藤沢さんのふたりですが、これをきっかけに「東部消費者グループ」が発足しました。私たちは生活する者の立場から、私たちを取り巻く“命を危うくする”ものの状況を分析し考え、それに対処すべき方策を探ろうということで、まずプリン石けんを作ることから始めました。
やがてプリン石けん作りを実演し作り方を広めること、また自分たちの手で作ったものを機会あるごとに売って活動資金にすること、この2点が会の大きな柱となっていきました。この会は3年程で解散し、その後取扱品目の一つとなりましたが、原点はこのような個々人の想いを反映し、具体の形をなしたもの、それがまさにプリン石けんだったのです。

・・・「よつばがどうもおかしい」「野放図に取扱品目が増えている。安全性のチェックはされてきたの?」「質問をひこばえ通信にしてもなしのつぶて」といろいろな疑問が湧いてきました。ただ便利なだけの生協とは違う何かを「よつば」に求めていた私たちは、私たちの目で「よつば」を見定めたいと思い、去る5月17日東生涯学習センターで下記の集まりをもちました。・・・
「ちょっとよつばの話を聴きに来ませんか!?」
話す人T:野口明美氏(産直センター社長) 「ロマンに満ちたよつばの未来」
話す人U:塩野入清一氏(配達担当)    「汗と涙の配達苦労話」


連絡先
北大阪エコネット 
後藤裕己
〒563-0038 池田市荘園1-9-3
Tel & Fax 0727-60-4050