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長崎被爆1カ月半後の動画、市が確認 米軍撮影か 9カ月後のカラーフィルムも

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長崎被爆1カ月半後の動画、市が確認 米軍撮影か 9カ月後のカラーフィルムも

昭和20年9月28日撮影とされる、原爆投下後の長崎の映像。頭に包帯を巻いた少女が映っていた(長崎市提供・共同)

 【ワシントン=共同】原爆投下から約9カ月後の長崎市で、米軍が撮影したとみられるカラー映像のフィルムが、米国立公文書館で確認された。市が被爆70年に向けた原爆資料の調査で入手した。にぎわう市場や木造の復興住宅が写っており、調査に参加した被爆者の深堀好敏さん(86)は「復興の息吹が伝わるカラーの動画は貴重」と話している。調査では、約1カ月後の写真や動画も確認した。

 長崎市によると、カラー映像は昭和21年5月の撮影とされ、計10分間程度。「長崎市場」の看板が掲げられた通りを行き交う人々、爆心地に近い山王神社付近に並ぶ復興住宅、倒壊した浦上天主堂で米兵と話す神父などが記録されている。

 調査ではほかにも、20年9月16日に米軍が撮影したとみられる爆心地付近の白黒写真を確認した。炭化した木の幹に、被爆者による書き置きの板のようなものがくくられており、避難先と思われる場所や「太田道子」という名前が読み取れる。

 20年9月28日撮影とされる動画には、頭に包帯を巻いた少女が焦土に座っている様子が写っていた。市が2年前の調査で入手した白黒写真の少女と酷似し、撮影日も近い可能性があるため、同一人物かどうか調べる。同月23日撮影で、米進駐軍とみられる一行がトラックで移動する映像もあった。

 調査は現地時間で3~15日、メリーランド州にある「アーカイブスII」で実施した。米国での調査は今年で3回目。過去の調査では写真など計2千点以上を集めた。

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